露モスクワ裁判所、ウクライナ海軍軍人側弁護の主張を認めず 欧米各国外交団は解放を要求
ウクルインフォルム
ロシアにより拘束され、捕虜となっているウクライナ海軍軍人側の弁護士は、ジュネーブ条約にのっとり、これら軍人の管轄は軍事裁判所とするべきだと主張したが、裁判官に否定された。
15日、弁護士グループ「ウクライナ海軍軍事捕虜の弁護」のオレグ・エリセーエフ氏がフェイスブックで伝えた。
エリセーエフ氏によれば、弁護側は、裁判中被告を檻から出し、弁護士の隣に座らせること、また、ジュネーブ条約にのっとり軍事裁判所に管轄を移すことを主張したが、どちらも否定されたと説明した。
裁判官が認めたのは、これら捕虜の親族を法廷に通すという主張だけであったとのこと。
また、リンケヴィチュス・ラトビア外相は、自身のツイッター・アカウント上にて、同日のモスクワ裁判所には、欧州連合(EU)とアメリカの外交官が傍聴していることを伝えた。
同外相は、「ラトビアやEU各国、アメリカ、イギリス、バルト諸国、ポーランド、チェコ、スウェーデン、デンマークの外交官がモスクワの裁判を傍聴しに来ている。ここでは、違法に拘束されたウクライナ海軍軍人の案件(編集注:予防措置の延期可否)が審議されている。私たちは、連帯を示すとともに、彼らの速やかな解放を要求している」と書き込んだ。
本件は、昨年11月25日、ロシアがクリミアに接するケルチ海峡近海にて、ウクライナ海軍の艦船を砲撃し、だ捕し、乗船していた24名の海軍軍人と保安庁職員を拘束したことに始まる。被占領地クリミアにおけるロシアがコントロールする「裁判所」は、これら24名全てを2か月間逮捕する判決を下していた。
現在、21名はモスクワ市内の拘置所「レフォルトヴォ」にて拘束、3名は「マトロスカヤ・チシナ」で拘束されている。この24名全員が、自らを捕虜であると宣言している。
なお、ロシア連邦保安庁は、裁判所に対して、この24名の逮捕期間を4月26日まで延長するよう主張している。