「銀行法」によりコロモイシキーへのプリヴァト銀行返還は99%不可能となる=司法相
デニス・マリューシカ司法相がラジオNV出演時に記者から質問に答える形で発言した。
マリューシカ司法相は、記者からのコロモイシキー氏にプリヴァト銀行を返還する法的根拠は現時点であるか、との問いに対して、「理論的に、非常に理論的に、ある種の状況が重なり、複数の裁判の決定が重なった場合に、極めて小さな確率であり得る。しかし、現時点では、それは理論的に可能である。もし議会で現在審議されている第一読会通過の法案(編集注:銀行法案)が採択されれば、同法案は委員会で審議されているところだが、採択されれば、99%返還は不可能となる」と返答した。
大臣は、残りの1%については「明日、裁判官の誰もが常識を失わない、何らかの馬鹿げた決定は行われない、というようなことは保証したくない」と発言した。
大臣は、「つまり、プリヴァト銀行はコロモイシキー氏に戻されない。しかし、正直に言えば、私はそもそも、同銀行が彼に必要なのか、彼はそれを求めているのか、という点に確信が持てない」とも発言した。
なお、プリヴァト銀行は、2016年12月に国有化されている。国家は、その国有化プロセスにて1550億フリヴニャを拠出している。同銀行の当時の所有者は、オリガルヒのイーホル・コロモイシキー氏。
2019年4月18日、キーウ(キエフ)市区行政裁判所は、プリヴァト銀行の国有化を違法とする判決を下している。
2020年3月30日、最高会議は、銀行活動規定メカニズム補完に関する改正法案(通称「銀行法案」)を第一読会で採択している。同法案は、民間の銀行を国営化あるいは解体したこれまでの中央銀行の決定を無効化することと国家予算から補償金を元銀行所有者に戻すことを不可能とする内容。
同法案採択は、国際通貨基金(IMF)によるウクライナへの次期トランシュ供与の条件の一つとなっているもの。もう一つの条件となっていたのは、農地市場法案採択であり、同日既に第二次読会で採択されている。