メルケル独首相「NATOは現在冷戦時以上に重要」
ウクルインフォルム
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、現在北大西洋条約機構(NATO)は、冷戦時以上に重要、あるいは当時と同程度に重要となっているとの考えを示した。
27日、メルケル独首相がドイツ議会での一般討論時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
メルケル首相は、「NATOの維持は現在私たちにとって、冷戦時以上に重要、あるいは、少なくとも冷戦時と同程度に重要となっている」と発言した。
首相は、欧州は現在単独では防衛が不可能であり、大西洋間の同盟に頼らなければならないと述べた。
メルケル首相は、バルト諸国に駐留するドイツ軍について喚起しつつ、ロシアについても言及し、「私たちは毎日、とりわけロシアからの、新しいハイブリッドの脅威を目撃している」と発言した。
更に、同首相は、2014年以降の「ロシアによるクリミア併合とウクライナ東部侵攻」を引き合いに出し、それに続く、NATO加盟国の境界線で侵攻が起きた場合の安全保障に注力するという、NATOの決定を喚起した。NATOは、ウクライナ情勢を受けて、各加盟国の防衛費をGDP比の2%まで引き上げることを義務付けており、メルケル首相は、ドイツも「その方向に進んでいる」と指摘した。同首相は、来年のドイツ国防費はGDP比で1.42%だと指摘しつつ、前述の決定がウェールズ・サミットで採択された際のドイツの国防費は1.18%に過ぎなかったことを喚起した。メルケル首相は、ドイツはこの割合を2024年までに1.5%に、2030年までに2%とすると述べた。
加えて、メルケル首相は、ドイツがNATOに対してより大きな責任を負っており、NATOの団結のために働いていると指摘した。その上で、同首相は、トルコは「重要なパートナーだ」と述べ、地理戦略的理由により、同盟を必ず維持せねばならないと強調した。