【MH17裁判】オランダ検察、プラートフ容疑者による証言を希望 「逮捕はされない」

【MH17裁判】オランダ検察、プラートフ容疑者による証言を希望 「逮捕はされない」

ウクルインフォルム
オランダ検察は、マレーシア航空機MH17撃墜事件の容疑者4名のうちの1人であり、露軍参謀本部情報総局特殊任務部隊所属のオレグ・プラートフ中将から、証言を得たいと考えている。プラートフ容疑者は、以前はMH17撃墜事件裁判に出廷する意向を述べていた。

10日のMH17撃墜事件の公判時にオランダの検察官が発言した。ウクルインフォルムのハーグ特派員が伝えた。

オランダのタイス・ベルガー検察官は、プラートフ容疑者の証言を得るための手段を複数提案しているとし、「もし裁判が、6月までにプラートフ氏に事情聴取をせねばならないと決めるなら、二つの論理的な案が存在する。ロシア連邦領内で彼に事情聴取を行なうか、ここの公判時に発言させるかだ。また、動画通信でやり取りすることも可能だ」と発言した。

またベルガー検察官は、プラートフ容疑者がオランダの裁判所に証言者として訪れる場合、安全は確保されるとも発言した。検察官は、「プラートフ氏が証言者として呼び出される場合、欧州相互支援協定第1章第12条により、裁判に現れる証言者は逮捕してはいけないことになっている」とし、証言者は逮捕されないという安全を保証することができると説明した。

検察官はまた、イーゴリ・ギルキン容疑者、セルゲイ・ドゥビンスキー容疑者、レオニード・ハルチェンコ容疑者に対して、MH17撃墜に関係する自身の発言について説明を行なうよう要請した。

また、検察官は、ハルチェンコ容疑者が過去に行なったインタビューの中で、自身はMH17撃墜に関与していないとの発言があるとしつつ、しかしながら同氏の「ブーク」展開への関与を示す証拠があると発言した。

加えて検察は、ドゥビンスキー容疑者は「多くのことを説明せねばならない」と指摘。例えば、MH17撃墜から数か月後に、ドゥビンスキー氏が同撃墜事件関連の発言の録音記録の中に自身の声があることを一度認め、その後否定したように、事件への関与を示すものがあるという。

タイス・ベルガー検察官は、「今、彼(ドゥビンスキー容疑者)は、その異なる発言をどう解釈すべきかにつき、説明する機会を有している」と発言した。

なお、マレーシア航空機撃墜事件の公判は、3月9日に開始され、10日午前10時に再開された。

マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させていた。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。

なお、2019年6月、マレーシア航空機MH17撃墜事件の捜査を行う国際共同捜査チーム(JIT)は、同撃墜に関与した容疑者4名を公表しており、オレグ・プラートフ氏(露国籍)はその内の1人。JITは、プラートフ氏につき、地対空ミサイル・システム「ブーク」の移送に関与し、航空機の撃墜した地域の警備を担当した容疑を発表していた。

公判は、ハーグから約50キロ離れたスキプホールの裁判コンプレクスにて行われている。


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