イタリアで拘束のウクライナ国家警護隊員、二審で無罪判決

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3日、ミラノ(イタリア)の控訴裁判所は、ウクライナ東部の戦闘でイタリア人記者を殺害した容疑で起訴されていたウクライナ国家警護隊のヴィタリー・マルキウ隊員に関し、27年の禁固刑となっていた一審の判決を覆し、逆転無罪の判決を下した。

ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

控訴裁判所は、マルキウ氏は無罪であるとの判決を発表した。これに先立ち、マルキウ氏は、法廷にて自身は記者殺害に関与していないと主張していた。

写真:ヘラシチェンコ内務次官(フェイスブック)

マルキウ氏は、2017年6月30日にイタリアのボローニャ空港で逮捕されて以来、同国にて拘束。2019年7月、一審にて禁固24年の有罪判決が言い渡されていた。

マルキウ氏は、3日中に解放された。同氏は、「真実は勝つ。私は、とても幸せだし、感謝している。感極まっている」と発言した。

写真:リュドミラ・デニソヴァ・オンブズマン(フェイスブック)

また、今回の無罪判決を受け、ゼレンシキー大統領は、ツイッター・アカウントにて歓迎メッセージを発表している。大統領は、「イタリア裁判所によるウクライナ国家警備隊員ヴィタリー・マルキウ氏の無罪判決を歓迎する。彼の解放は、正義の勝利だ!」と述べ、関係者へと謝意を伝えた。

マルキウ氏には、2014年のウクライナ東部の戦地におけるイタリア人写真家のアンドレア・ロッケリ氏とロシア人の通訳者アンドレイ・ミロノフ氏を複数名で事前に計画して殺害した容疑がかけられていた。ロッケリ氏とミロノフ氏は、2014年5月24日、当時武装集団支配地域であったウクライナ東部のスロヴヤンシク近郊カラチュン山付近で迫撃砲砲撃により死亡している。この死亡について、イタリアの検察は、ロッケリ氏は意図的に殺害されたとし、マルキウ氏が当時カラチュン山にて、この2名の滞在情報をウクライナ軍に伝えたと主張していた。

他方、マルキウ氏の弁護側は、この断罪を否定。弁護側は、この2名は記者を表す物を何もつけずに戦場入りし、交戦の被害者となったと主張していた。マルキウ氏への容疑は、主にミロノフ氏とロッケリ氏とともにカラチュン山に同行し、唯一生存したフランス人記者のウィリアム・ロゲロン氏の証言に基づいていた。