裁判所、検察にバイデン前米副大統領の元ウクライナ検事総長業務への介入疑惑の捜査開始を命令

キーウ(キエフ)市ペチェルシキー地区裁判所が検事総局に対して、2016年当時のジョー・バイデン前米副大統領によるヴィクトル・ショーキン当時ウクライナ検事総長の業務への介入の可能性につき捜査を開始することを義務付けていたことがわかった。

公開された4月21日付の同裁判所の判決文に書かれている

同判決文には、検事総局が刑事捜査を開始していないとするオレクサンドル・テレシェツィキー氏の提訴における要求を認め、前米副大統領による当時検事総長の活動への介入に関する情報について刑事捜査を行うことを義務付ける、と書かれている。

同判決は、控訴の対象にならないものとのこと。

これに先立ち、19日、ウクライナの報道機関が、アンドリー・デルカチ最高会議議員(無所属)が、あたかもバイデン前米副大統領がポロシェンコ前大統領に影響力を行使している証拠であると主張する音声記録を公開したと報じていた。

デルカチ氏は、この音声記録を、調査報道を行う記者から入手したと述べ、音声記録自体はポロシェンコ氏本人が作成したものだと述べている。

デルカチ氏は、この音声記録における一つ目の話題は、2015〜16年の「ブリズマ社の汚職スキーム維持と10億米ドルの交換」に関する両者の会話だと主張しており、とりわけ「『ブリズマ社捜査を行っていた』ヴィクトル・ショーキン当時検事総長の解任の必要性」について話されていると指摘。

デルカチ氏はまた、10億ドルはポロシェンコ氏とつながりのある企業による軍事関連調達を使途としていたと主張した。

デルカチ氏は、記録上の二つ目の話題は、2016年の最高会議与党連合の崩壊と選挙に関するものと主張。更にデルカチ氏は、バイデン氏は大型国営企業の監査委員会を通じて影響力を行使していたとも述べている。

デルカチ氏は、「私たちは、獲得した何時間にもわたる全ての記録を、国家反逆罪容疑と検事総局への国際的汚職の事実の指摘とともに提出した。刑事捜査登録のためだ」と述べていた。

本件につき、バイデン氏のスポークスマンであるアンドリュー・ベイツ氏は、「彼らはそれ(編集注:デルカチ議員が公開した音声記録)を激しく編集しているが、しかし、それはくだらないもののままである」とコメントした

また、同氏は、公開された「記録」は、ロシアによる大統領選挙前のバイデン前米副大統領の評判を傷つける新たな攻撃であるとの見方を示した。

更に、今回の「音声記録」がロシア政府がコントロールしているRT局にて熱心に拡散されていることも指摘された。