控訴裁、一審を覆し、ウクライナ正教会「キーウ聖庁」解体を承認

キーウ(キエフ)市第6控訴裁判所は、同氏区行政裁判所の一審判決を覆し、統一ウクライナ正教会に合流したことになっている、ウクライナ正教会「キーウ聖庁」の解体プロセスの継続を可能とする判決を下した。

11日、宗教情報庁が伝えた

発表には、「11月11日、フィラレート氏の支持者が裁判所を襲撃し、扉や家具を破壊し、治安機関職員と殴り合いをしたが、当該判決が下された。裁判所は、訴訟内容を認める第一審を無効化する判決、すなわち、文化省とウクライナ正教会(編集注:統一・独立した新しいウクライナ正教会)側を完全に支持する判決を下した」と書かれている。

これに先立ち、本年9月、キーウ市区行政裁判所は、キーウ聖庁から文化省に対する訴訟内容を認め、同省にキーウ聖庁の資産に関するあらゆる登録行為を禁止する判決を下していた。

なお、現在のウクライナ正教会は、2018年12月15日、キーウにおける統一会議にて創設されている。同会議には、当時のウクライナ正教会キーウ聖庁、自治独立派、またモスクワ聖庁から主教2名が参加していた。

新たに創設されたウクライナ正教会の首座主教に選ばれたのは、当時のキーウ聖庁の主教であるエピファニー氏であった。この選出を受けて、2019年1月6日、ヴァルソロメオス1世コンスタンティノープル全地総主教がイスタンブルにて、エピファニー・ウクライナ正教会首座主教へと、同正教会の独立に関する文書「トモス」を授与した。この創設・独立により、ウクライナ正教会キーウ聖庁と自治独立派は、自己解体している。

これに対し、本年6月、フィラレート・ウクライナ正教会名誉総主教(元キーウ聖庁総主教)は、独自の「会議」を開催し、同「会議」がウクライナ正教会キーウ聖庁の解体決定を無効化するとし、同聖庁の活動再開を発表。他方で、統一したウクライナ正教会側は、同宣言は法的効力を持たない無意味なものであると発表していた。