クリミアの「裁判所」、クリミア・タタール人ベキロフ氏の逮捕期間を延長

8日、被占領下クリミアにあるいわゆる「最高裁判所」は、クリミア・タタール人であり政治囚となっているエデム・ベキロフ氏の逮捕期間を2か月間延長する判決を下した。

市民ネットワーク「クリミアの連帯」がフェイスブック上で伝えた

発表には、「裁判所は、(エデム・ベキロフ氏の)未決囚予防措置を2019年10月11日まで延長した」と書かれている。

同日「公判」時、ベキロフ氏は、自身が拘束されてからの過去8か月につき「真の地獄である」と形容した。

ベキロフ氏は、「私は、自分に起きていることに驚いている。私は、これまでの人生、常に法を守って生きてきた。過去8か月間、私に起きていることは、真の地獄である。どこかの捜査官だか、機関だかが、捏造で人を拘束することを思いついたのだ。嘘をつき、捜査内容を捏造したのだ」と発言した。

ベキロフ氏の弁護士であるラジン氏は、ベキロフ氏の健康状態にかんがみて、予防措置を逮捕から自宅拘禁に変えるよう主張したが、裁判官は受け入れなかった。

これまでの報道では、昨年12月12日、(へルソン州)チョンハルからクリミアへの入域の際、へルソン州ノヴォオレクシーウカ在住のウクライナ国民、クリミア・タタール人のエデム・ベキロフさんがロシア連邦保安庁(FSB)に拘束されていた。ベキロフさんはクリミアに暮らす78歳の母親と親族に会うためにクリミアを訪れるところだった。ベキロフさんは、第1グループの障がいを持っており、2018年1月には冠動脈バイパス手術をしており、その際、4か所の血管が繋がれたとのこと。拘束の際にベキロフさんが持っていた薬の入ったリュックサックが押収されており、以降ベキロフさんには適切な医療行為が与えられていない。

12月13日、被占領地クリミアの「裁判所」は、ベキロフさんを拘置所に2月11日まで逮捕する判決を下した。罪状は、14キログラムの弾薬や武器を保有・譲渡だと言い渡された。なお、「裁判」時には、ベキロフさんは2回にわたり体調が悪化し、救急車で病院に運ばれており、病院では血糖値と血圧の低下だと診断されている。