オランダのロシア大使館前にて、マレーシア航空機撃墜の犠牲者親族が抗議

2014年のウクライナ東部上空で撃墜され乗客・乗員計298名全員が死亡したマレーシア航空機MH17撃墜事件につき、犠牲者の親族は、ロシアが同事件への関与を認めないことに対する抗議を行った。

12日、オランダのNOS通信が報じた

報道には、「在蘭露大使館の建物の前にて、死者の親族たちが象徴的に、MH17犠牲者298名を表す、298脚の白い椅子を置いた。これらの椅子は、飛行機の中と同様に、(椅子の間に)通路もできるように設置された」と書かれている。

抗議の参加者は、ロシア語などで「人間性は政治より上位だ」などと書かれたプラカードも設置した。

マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させていた。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。