憲法裁裁判官、裁判所長官を解任

14日、憲法裁判所の裁判官は、特別会合を開き、同裁判所のスタニスラウ・シェウチューク長官を同職から解任する決定を採択した。

ウクルインフォルムに状況に詳しい人物が伝えた。

同氏は、「シェウチューク氏は、裁判官ポストから解任された。(18人の裁判官のうち)12人が賛成した」と述べた。

同氏によれば、この決定の前に、憲法裁裁判官たちは、シェウチューク氏に対する不信任を表明する決定を採択していたという。しかし、「最高裁判所法」には自発的辞任以外の長官解任手続が書かれておらず、この不信任の決定には法的拘束力がなかったのだという。同氏は、「その決定は、長官に対しての、裁判官からの支持がないというシグナルだった」と発言した。

しかし、シェウチューク氏は自発的辞任を望まず、他の裁判官たちは、規範・倫理問題常駐委員会の結論を根拠に、シェウチューク氏の解任決定に投票することにしたのだという。

これにより、シェウチューク氏は、憲法裁判所裁判官職を解任、自動的に長官職からも解任されたことになる。

また、同日、この決定に続き、憲法裁判所裁判官たちは、新長官として、ナターリヤ・シャプタラ裁判官を任命する決定を採択したとのこと。同氏によれば、同任命には、同裁判所裁判官12名が賛成したと伝えられた。

憲法裁ウェブサイトによれば、シャプタラ氏は、1959年ドネツィク市生まれ。2010年から憲法裁判所裁判官を務めている。

なお、今回の決定に先立ち、憲法裁判所規範・倫理問題常駐委員会が、シェウチューク憲法裁長官に関し、憲法裁憲章に反する著しい規範違反、体系的な義務の無視を認め、長官職を担うにふさわしくなく、解任の根拠があるとの結論を出していた。

加えて、シェウチューク氏に対しては、違法な指示、裁判所の活動の政治化、裁判官の権利の無視が断罪されていた。

さらに、同氏の活動には、職権乱用、用途不明な資金流用、裁判官の活動への介入、といった刑事犯罪の傾向も看守されることが指摘されていた。

なお、ウクライナ憲法は、新大統領の宣誓を受けるのは憲法裁判所長官と定めている(第104条)。