米国にウクライナ文学を英語に翻訳する団体が登場

アメリカ合衆国で、ウクライナ文学を英語に翻訳する団体「The Tompkins Agency for Ukrainian Literature in Translation (TAULT)」が正式に活動を開始した。

13日、文学ポータル「チトモ」が創設者のゼーニャ・トンプキンス氏の発言を伝えた。

発表によれば、「この団体の活動は、英語世界に現代ウクライナ文学を広めることにある。特に、若いウクライナの作家と国際的な賞を得た作家の作品を広めていく」と書かれている。

翻訳されるのは、純文学から、ノンフィクション、児童向け小説まで様々なジャンルのウクライナ文学であるとのこと。

この団体を創設したゼーニャ・トンプキンスさんは、ウクライナ系アメリカ国民。また、この団体では、3人の翻訳家が翻訳作業を行い、またイラストレーターと児童文学作家もプロジェクトに加わるとのこと。

トンプキンスさんは、ウクライナ文学界の「新人」に焦点を当てていくとし、「ある小説家がヨーロッパの言語でまだ翻訳されたことが一度もなければ、英語での翻訳・出版を行う出版社を見つけるのは非常に困難です。ですから、私たちは、35歳以下の若い作家を中心に翻訳していくことにしました」と説明した。

これまでにこの団体の翻訳家は、13人のウクライナの作家の合計15の作品を英語に翻訳したとのこと。翻訳されたのは、ヴァシリ・マフノ「Letters and Air」、「ベイティング・ホローの家」、ターニ・マリャルチューク「忘却」、「Мох Nох」、アルテム・チャパイ「The Ukraine」、「赤いゾーン」、ナタルカ・スニャダンコ、リューブコ・デレシュ「ヤコブの頭」、ミロスラウ・ラユク「バボルニャ」、オレクシー・チュパ「私の塹壕の昔話」、オレフ・クリシュトパ「ウクライナ:縮尺1分の1」、オレフ・ポリャコウ「霧のトロイのクロノロジー」、パウロ・ステフ「錆の亀裂について」、イラリオン・パウリューク「白い灰」、サーシャ・イヴァニューク「Amor(t)e」、マクシム・ドゥペシュコ「りんごの園全体にとって価値ある歴史」であると発表された。

また、トンプキンスさんは、この団体は非営利団体であり、翻訳や権利販売にて得られた資金は、団体の運営に回されるとのこと。

写真:Сhytomo.com