アムステルダムで、スキタイの黄金細工の返還に関する控訴裁判が開始

アムステルダムの裁判所にて、スキタイの金細工のウクライナへの返還を巡る控訴裁判の審議が開始された。

11日、ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

裁判には、ウクライナ政府から司法省、文化省、情報政策省の代表者、在オランダ・ウクライナ大使、国立歴史博物館、国立民族装飾品博物館、ハネンコ美術館の代表者が出席している。なお、2015年以降、ウクライナ側の利益を代弁しているのは、オランダの法律企業「BerghStoop&SandersN.V.」。

2013年、キーウ(キエフ)の国立歴史博物館とクリミアの4つの博物館から、スキタイの金細工等584点がドイツのボンの展覧会へ出展、その後オランダ・アムステルダムのアラルド・ピアソン博物館で展示された。その後、2014年3月のロシアによるクリミア併合が起こったため、アラルド・ピアソン博物館はスキタイ金細工のクリミアへの返還を拒否。アムステルダムでは、この金細工をどこに返還するかに関する裁判が続いている。

2016年12月14日、アムステルダム区裁判所は、クリミアの博物館の所蔵品はウクライナに返還しなければならないとする判決を下した。同判決は、ユネスコが採択した条約にもとづいて採択されている。同条約によれば、国外展示される芸術品の返還は、その一時的展示の許可を与えた主権国家に返還されねばならないと定めている。

2017年3月28日、アムステルダム控訴裁判所は、クリミアの博物館から同判決に対する控訴を受理した。今回の審議は、この控訴を受けて行われているもの。

写真:イリーナ・ドラボク