憲法裁判所、同裁判所による「違法蓄財」条項の違憲認定は控訴の対象にはならないと説明

憲法裁判所は、「違法蓄財」の刑事責任追及の根拠となっていた刑法典第368-2条を違憲と認定する同裁判所の決定を公開した。

27日、憲法裁判所がウェブサイト上に当該情報を掲載した。

発表された決定には、「ウクライナ刑法典第368-2条をウクライナ憲法に合致しない(違憲である)ものと認定する。違憲と認定された刑法典第368-2条は、ウクライナ憲法裁判所が本決定を採択した日から効力を失う」と書かれている。

また、本件の発表を行ったのは、ヴィクトル・コリスニク裁判官と記されている。同時に、セルヒー・ホロヴァティー裁判官が本件につき異なる見解を示したことも掲載されている。

発表文には、憲法裁判所の決定は、拘束力を有し、最終的であり、控訴することはできないと書かれている。

これに先立ち、2月26日、憲法裁判所が「違法蓄財」を刑事犯罪とするウクライナ刑法典第368-2条を違憲とする判決を下したことが判明していた。

なお、2017年12月12日、最高会議(国会)議員59名が憲法裁判所に、刑法典の違法蓄財条項の憲法との合致如何の認定を行うよう要請していた。

違法蓄財が刑事捜査対象に適用されたのは、2015年11月26日から。違法蓄財への刑事責任適用は、欧州連合(EU)がウクライナ国民への査証免除に向けた行動計画の要件の一つであった。

刑法典の違法蓄財条項は、最大2年の懲役、最大3年の就職禁止、獲得根拠の確認できない資産等の没収を定めている。また、同様の違法蓄財であっても、公務員である場合は、懲役期間が2~5年、高官である場合は5~10年と規定されている。

なお、これまでに、違法蓄財条項にのっとって、パウロ・デムチナ保安庁(SBU)次官、コスチャンティン・クリク元反テロ作戦部隊軍事検察、ヴォロディーミル・オメリャン・インフラ相といった政府高官に対する捜査が行われていた。

市民団体「汚職対策センター」は、同センター専門家の試算によると、国家汚職対策局(NABU)が行った、最高会議委員、閣僚、国家機関の長、軍事検察といった政権幹部の違法蓄財捜査65件が終了することになると伝えている。