コンスタンティノープル総主教庁代表:ウクライナ正教モスクワ聖庁は、総主教代理をウクライナから追放する権利を有していない

ウクライナ正教会モスクワ聖庁には、コンスタンティノープル総主教代理に対してウクライナを立ち去ることを要求する権利はない。

25日、本件について、神学博士であり、コンスタンティノープル総主教庁のテリミスキー・ヨヴ(ゲチャ)大司教が、ウクライナ正教会モスクワ聖庁による決定に関して、ウクルインフォルムに緊急のコメントを伝えた。

ヨヴ大司教は、「教会間関係において、ウクライナ正教会モスクワ聖庁は対話を独立して行う存在でなく、主体ではなく、書簡のやりとりは行わない。書簡のやりとりは、ロシア正教会のみが行うのである。そうであれば、ウクライナ正教会モスクワ聖庁がコンスタンティノープル総主教庁をどのような件で非難できるのであろうか」と述べた。

また、大司教は、10年前、代理人ではなく、コンスタンティノープル総主教自身が、ウクライナ正教会モスクワ聖庁の招待なく、キーウ(キエフ)を訪問した時、「それでもヴォロディーミル(当時)(モスクワ聖庁)総主教は、対立ではなく、対話と理解の道を選んだのである」と発言した。

すでに報じられたように、本年4月17日、ポロシェンコ大統領は、コンスタンティノープル総主教に対し、ウクライナ正教会の独立(Autocephal)に関するトモスの付与を要請する呼びかけを準備したと述べていた。それを受け、4月19日、ウクライナ最高会議(国会)がこの呼びかけを承認。

その後、コンスタンティノープル総主教庁聖会議が、ウクライナ正教会への独立付与に必要な手続きを開始した。この件が審議される次の聖会議の会合が開かれるのは、10月に予定されている。

9月7日には、コンスタンティノープル総主教がウクライナ正教会への独立付与の準備に向けて、二人の総主教代理を任命した。

9月23日には、ヴァルソロメオス1世コンスタンティノープル総主教が、ウクライナ正教会は独立を得るし、その権利があると述べていた。