クリミア発のスキタイ金細工の返還をめぐる蘭裁判、文化相がコメント

オランダの裁判所での控訴では、クリミアの博物館のスキタイ金細工がウクライナに返還されるべき理由が示されるであろう。

13日、イェウヘン・ニシチューク・ウクライナ文化大臣がウクルインフォルムの記者に述べた。

2013年、キーウ(キエフ)の国立歴史博物館とクリミアの4つの博物館から、スキタイの金細工等584点がドイツのボンの展覧会へ出展、その後オランダ・アムステルダムのアラルド・ピアソン博物館で展示された。その後、2014年3月のロシアによるクリミア併合が起こったため、アラルド・ピアソン博物館はスキタイ金細工のクリミアへの返還を拒否。アムステルダムでは、この金細工をどこに返還するかに関する裁判が続いている。

本件に関して、ニシチューク文化相は、「2016年の終わり、文化省と司法省の調整した作業の結果、アムステルダム地区裁判所でアラルド・ピアソン博物館での展覧会『クリミア~黒海に浮かぶ金の島~』の展示品一部をウクライナへの、具体的にはウクライナ国立歴史博物館への返還に関する裁判に勝訴した。その際、敗訴した側が控訴した。あちら側は、裁判審議を長引かせようと努力している。最新の情報では、控訴の公聴会は2019年3月に行われるとのこと。ウクライナの立場は強固であり、私たちは、オランダの裁判所で公正さと1970年のユネスコ条約の効力が確認されることを期待している」と述べた。

また、ニシチューク文化相は、全てのプロセスの終了にどれくらい時間がかかるかは予想が難しいとしつつ、ウクライナが勝訴した後にはこれらのコレクションは、国民が見られるようにすると述べた。

なお、スキタイの金細工を展示していたアラルド・ピアソン博物館での展示会の期間は、当初2014年2月6日から5月18日だったが、ウクライナの不安定な状況を受けて、同年8月31日まで延期された。その後、アラルド・ピアソン博物館は、スキタイの金細工は被占領下クリミアにもウクライナ国立歴史博物館にも返還せず、ロシアの併合のために返還ができないと説明していた。

ロシア側は、スキタイの金細工はクリミアに属すものだと述べている。