欧州は来年末までにロシア産ガスの輸入をゼロまで削減する=欧州委員会委員長

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員会委員長は6日、世界の化石燃料市場の不安定性を背景に、欧州は独自のクリーン・エネルギー資源をより多く生産・消費する必要があるとし、ロシア産天然ガスの輸入は現在の12%から、来年末までに0%まで削減すると発言した。

フォンデアライエン欧州委員会委員長が欧州議会での演説時に発言した。

フォンデアライエン氏は、「2月末以降、ガス価格は140%上昇した。ディーゼル燃料の価格は2倍になった。全体として、イランでの戦争開始以来、輸入する化石燃料により欧州では追加で1000億ユーロかかった。しかも、これは一切エネルギー分子を追加していないで生じたことだ」と言及した。

そして同氏は、冬の到来とともに状況がさらに悪化するおそれがあるとして、EUに対して「即座に行動する」よう呼びかけた。

同氏はまた、「私たちは以前にも勝利したことがある。4年前、ロシアは私たちを脅迫しようとした。当時、私たちのガス輸入の45%はロシアからのものだった。ほぼ一瞬にして、この数のほぼ全てが遮断された。しかし欧州は結束し、私たちはより強くなった。私たちは調達先を多様化した。そして自国のクリーンエネルギーへの投資を大規模に加速させた。今日、私たちのロシア産ガスの輸入は45%から12%に落ち込んだ。そして私たちは来年末までにそれをゼロまで削減する」と強調した。

加えて同氏は、現在EUにおける電力の70%以上が再生可能エネルギーや原子力エネルギーといった自らが生産するクリーンな供給源から生産されていると指摘した。同氏はそして、「2022年の危機時に私たちが下したこれらの決定のおかげで、今日、私たちは脆弱性を下げて、より良い状況にある」と述べた。

その上で同氏は、今後の決定も同様の論理に従うべきだと指摘した。

同氏は、「短期的には、目前の圧力に対応するため加盟国を支援する必要がある。しかし、中・長期的には、不安定な外部の化石燃料市場に対して私たちを無防備なままにしている構造的問題の解決を続けねばならない。私たちは自らの強靭性に投資しなければならない」と訴え、さらに、EU全体のための普遍的な解決策は存在せず、加盟国にエネルギー危機へ対応するための手段や柔軟性を与える必要があると補足した。

同氏はまた、「直接的な脅威に対応するのが1つ。しかし、欧州が石油やガスに依存している限り、私たちの繁栄は自分たちの制御が及ばない出来事に対して脆弱なままである。私たちが化石燃料を輸入する時、私たちはそれに関連する衝撃や危機をも輸入しているのだ。そのため、私たちはエネルギーの消費方法を変えなければならない。私たちは明日の自らのエネルギー独立を保証するために、今日戦略的な選択を行わねばならない。これは、化石燃料を欧州で生産されたクリーンな電力に置き換えることを意味する」と強調した。

同氏はその際、クリーン・エネルギーの生産における既に現存する進展を指摘しつつ、同時にEUはその輸送のためのインフラを改善する必要があると指摘した。

そして同氏は、「1つの数字を挙げよう。昨年、私たちは80ギガワット以上の再生可能エネルギーの容量を設置した。しかし、その6倍もの量が依然として接続を待っている。だからこそ私たちには、ネットワークに関する方策パッケージが急務なのだ」と述べ、このパッケージは今年末までに合意されねばならないと訴えた。

同氏はまた、化石燃料に頼っていた分野をさらに電化していく必要性も指摘した。