米CIA長官はプーチン氏に報告されていないロシアの損害に関するデータをクレムリンに伝達=報道

米ニューヨークタイムズは、ラトクリフ米中央情報局(CIA)長官が最近のモスクワ訪問中、対ウクライナ戦争におけるロシアの実際の状況についての芳しくないデータを露連邦保安庁(FSB)長官に伝え、さらに悪化する前に平和協定に合意するよう呼びかけたと報じた。

ラトクリフCIA長官のモスクワ訪問の理由に関して、現・元米政府高官の発言を引用する形でニューヨークタイムズが記事を掲載した

ニューヨークタイムズの取材相手たちによると、CIAは、プーチン氏が自身の顧問たちから戦争の推移やロシアの損害についての正確な情報を得ているかを疑っているという。

ラトクリフ氏は、複雑な軍事的・経済的状況を考慮すると、ロシアには戦争終結に関する真剣な交渉を開始すべき時が来ていることをボルトニコフ露FSB長官に対し示唆したという。

同時に記事には、ラトクリフ氏は、プーチン氏が米国の情報機関の評価を無視し、戦争を継続することを決めた場合の米国側のあり得る影響については、いかなる脅迫や警告も伝えなかったと書かれている。

ニューヨークタイムズはまた、ラトクリフ氏とボルトニコフ氏の間の連絡ルートは、トランプ政権の他の人物のクレムリン代表者たちとの接触、とりわけウィトコフ大統領特別代表やその義理の息子であるクシュナー氏の仲介による接触と並行して機能していると指摘している。

一部の米政権高官たちは、自身も情報機関で働いていたプーチン氏が、通常の外交ルートを通じて届く場合よりも、CIA長官からのメッセージをより緊急で信頼できるものとして受け取ることを期待しているという。

ニューヨークタイムズは、戦場でのロシアの攻勢は停止しており、ロシア軍は著しい損害を被っていると記述しており、7月にラトクリフ氏が公の場で「前線におけるロシア軍兵士の生存期間は35分未満だ」と発言していたことを喚起している。

ラトクリフ氏はまた、自身がCIA長官の役職で活動した過去18か月間で、ロシアはウクライナの領土の約1%しか占領していないと指摘。そして攻勢の大部分は、ウクライナによる無人機の効果的な運用によって阻まれたとも言及していた。

ニューヨークタイムズによれば、ラトクリフ氏は、ボルトニコフ氏との会談の前に、ウクライナの同僚たちと話し合い、訪問ではロシアの立場を明らかにするのであって、ウクライナ側の譲歩に関してはいかなる交渉も行わないと確約していたという。

ラトクリフ氏とボルトニコフ氏は、過去の接触では被拘束者交換の詳細について合意していたが、今週両者はモスクワで初の直接対面会談を行った。

写真:Gabriella Demczuk/Pool