対露制裁緩和を検討する根拠は一切ない=メルツ独首相
ドイツのメルツ首相は10日、現在対露制裁の緩和を検討する根拠は一切なく、中東の情勢もクレムリンへの圧力緩和やウクライナ支援を弱める理由にはなり得ないと発言した。
メルツ首相がベルリンで行われたチェコのバビシュ首相との共同記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
記者から、トランプ米大統領が原油価格抑制のために対露制裁緩和の可能性を検討しているか、と質問されると、メルツ氏は、「この戦争が迅速に終結するという米大統領の願望を、私も共有している。迅速に終結すれば、石油・エネルギー市場の正常化も比較的早く見られるだろう。だからこそ、私たちの見地からも、そして私個人の見解からも、対露制裁の緩和を検討する根拠は一切ない」と回答した。
またメルツ氏は、ウクライナ支援継続におけるドイツの明確な立場を強調し、「制裁か連帯かという選択を迫られた際、私たちの立場は明確だ。私たちはウクライナ側に立ち、必要であれば、そのような時期を乗り越える準備ができている。ウクライナへの援助が中断されることがあってはならない。私たちはそこに立ち、その国(ウクライナ)がロシアの侵略戦争を撃退し、この紛争を可能な限り迅速に終結させるための支援を今後も続けなければならない」と発言した。
同氏はさらに、中東情勢を切り離して考えるべきではないとし、それは「ロシアの対ウクライナ侵略戦争と極めて密接に関係している」とした上で、「だから今こそ、キーウへの支援を弱めてはならない」と強調した。
同氏は加えて、ウクライナ向けの弾薬イニシアチブを継続しているチェコに謝意を表した。同氏はその際、「イランとの戦争が自国にどのような機会をもたらすか、クレムリンが非常に注意深く監視していることを私たちは知っている。チェコが主導したウクライナ向け弾薬イニシアチブの継続は、そこでで大きな貢献となる。この件について私たちは話し合ったし、イニシアチブを支持してくれたチェコ首相に改めて心から感謝したい」と述べた。
そして同氏は、欧州は「ウクライナの戦争終結が語られる際に、いずれは交渉の席に着かなければならない」と強調し、「そのことは、先週ワシントンを訪問した際、米大統領にも伝えた。モスクワが譲歩への準備ができるのは、私たちが圧力を強め続けた時だけだ」と指摘した。
その他同氏は、バビシュ・チェコ首相も第20次対露制裁パッケージ採択の必要性について同意していると伝えた。同氏は、「バビシュ首相と私は、第20次対露制裁パッケージと緊急に必要とされているウクライナへの900億ユーロの融資を、今こそ共に採択しなければならないという点で一致している。無関係な紐付けや妨害は放棄されることを望む。また、ウクライナの迅速なEU加盟が現在は不可能であることをよく理解した上で、ウクライナのEUへの道を今後も支援することで合意した」と述べた。