移民危機は露のウクライナに対する行動を覆い隠すかもしれない=リトアニア国防相

リトアニアのアヌシャウスカス国防相は、ベラルーシと欧州連合(EU)加盟国の間の国境で生じている移民危機がロシアによるウクライナに対する行動を覆い隠す可能性は排除しないと発言した。

16日、リトアニア国営放送局LRTが報じた

アヌシャウスカス氏は、「人道危機へと変貌しつつある、人工的に生み出された移民危機は、ウクライナに対する活発な行動を覆い隠すためだけのものかもしれない。私たちは、それを非常に懸念している。なぜなら、ロシアは、かなり大きな力(編集注:軍事力)を迅速に長距離移動させる能力があることを示してきたからだ」と発言した。

同氏は同時に、ウクライナも7年前と比べればはるかに良く準備できていると述べつつ、しかし「地域における危機」は起こり得るとの見方を示した。

同氏はまた、ウクライナ東部の状況に肯定的な動きはないとし、ロシアはウクライナ国境から軍を撤退させておらず、ウクライナが更なる安全を感じることができるような合意も結んでいないと指摘した。

なお、過去1週間、ベラルーシ・ポーランド間国境のベラルーシ側には、ベラルーシ政権に誘導される形で数千の移民が集まっている。これらの移民は、不法な手段でのポーランド側への渡航を望んでいる。

ウクライナのクレーバ外相は12日、現状は個別の「ベラルーシの移民危機」ではなく、ロシアによる欧州に対する天然ガス、移民の流入、脅迫、プロパガンダといったハイブリッド攻撃であるとの見方を示している。