NY市のロシア人、露与党へ投票しないよう呼びかける集会開催

写真

米ニューヨーク市のロシア連邦総領事館前にて、野党政治家アレクセイ・ナワリヌイ氏の呼びかけに応じ、同国国家院選挙で与党候補に投票しないよう呼びかける集会が開催された。

19日、ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

「ロシアの自由のために」(For Freedom in Russia)運動の活動家で、監視員を務めるアレクサンドラ・ナジンツェヴァ氏は、「ナワリヌイ氏は投獄され、選挙には参加できていないため、彼は自分の票を、プーチンの『統一ロシア』以外の最も強い投票しそうな候補に投じるよう呼びかけた。残念ながら、現時点ではロシア共産党と小選挙区では同党代表者に投票せざるを得ない」と発言した。

19日朝、ロシア総領事館前には、投票に訪れた人々により長い行列ができていた。行列は、午後3時になると幾分縮小した。

総領事館前でウクルインフォルム特派員が尋ねたロシア国民の大半は、与党「統一ロシア」以外の政党・候補者に投じる「賢い投票」をする/したと答えた。また、特派員が約20人に「クリミアはどこの国のものか」との質問すると、半数以上が「ウクライナのもの」と回答、数人が「クリミアの人が決めるべき」と、数人が「私たちのもの(ナーシュ)」あるいは「ロシアのもの」と回答した。

写真:ヴォロディーミル・イリチェンコ/ウクルインフォルム

また、ナジンツェヴァ氏は、総領事館の敷地から館員により「ロシア中央選管の合意がないため」追い出されたと説明し、「それは全くの嘘である。私たちの書類は全て然るべき形で準備されている。私たちは、ヤブロコ党の監視員であり、私は朝8時から選挙プロセスを監視していた。しかし、13時になって、館員が突然、私たちの滞在は違法だと『決定』したのだ」と説明した。その上で同氏は、投票結果が改ざんされた可能性を説明し、活動家が投票所内に設置したカメラも外されたと指摘した。

総領事館の周りには、「政治囚に自由を、プーチンなきロシアを」「ロシアは自由になる」「ストップ・プーチン、ストップ弾圧」などと書かれたバナーを持った活動家数十人が集まり、反プーチン露大統領のシュプレヒコールをあげたり、ウクライナのサッカーファンの間でよく知られるプーチン氏を罵る歌を歌ったりしていた。

なお、ロシアは、9月17日から19日にかけて国家院選挙の投票が行われた。

ウクライナ外務省は、この国家院選挙が被占領下ウクライナ南部クリミアでも違法に組織されていること、またウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地の住民が強制的に選挙に参加させられていることに対して、強い抗議の意を表明している。

ウクライナ最高会議(国会)は、ロシアが国家院選挙に向け、一時的被占領下ウクライナ領でも違法に選挙準備をしていること、またドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地域のウクライナ国民も投票に参加できるようにしていることから、同選挙の合法性を認めないよう国際社会に呼びかける決議を採択している。

ウクライナの国家安全保障国防会議(NSDC)は、一時的被占領下ウクライナ領クリミア・ドンバスにおけるロシア連邦国家院選挙の組織・実施に関わった人物に対して制裁を発動する決定を採択している。