ゼレンシキー大統領は大統領になって多くのことを学んだ=元米大使

ウィリアム・テイラー元駐ウクライナ米大使(2006〜2009、※2019〜2020は同臨時代理大使)は、ヴォロディーミル・ゼレンシキー氏は大統領に就任してからの2年間で多くのことを学んだと指摘した。

テイラー氏がウクライナ国営ロシア語テレビ局「家」へのインタビュー時に発言した

同氏は、大統領選で73%の得票で勝利したゼレンシキー大統領は、熱狂と善良な意思を持って政権入りしたが、個人としての経験がなく、それによってすぐに問題にぶつかったと指摘した。同氏によれば、ゼレンシキー大統領が選出されてすぐに生じた問題の一つが、ウクライナ東部情勢に関する彼の立場だったという。

テイラー氏は、「ゼレンシキー氏は、平和達成のため、ロシア人をドネツィクとルハンシクから退かせるためには、プーチン露大統領と席について協議をするだけで十分だと思っていた。しかし、そうではないことが明らかとなった。プーチン氏に和平協議をする意向、ドンバスからの撤退に合意する意向がないことがわかったのだ。ゼレンシキー大統領は最初、プーチン大統領と協議ができると期待していたが、その後ある時、それではうまく行かないこと、よりよいアプローチは国際社会の注意を引きつけつつ、このプロセスを強化するために米国を関与させることだと理解したのだ」と指摘した。

同氏は、ゼレンシキー氏にバイデン氏のような同盟者が現れたら、プーチン氏との協議は成功裡に終わらせられると指摘した。

さらに同氏は、過去数か月にわたり、ゼレンシキー大統領がオリガルヒ(大富豪)との闘いを始めたことを明らかに示しており、その点で具体的な前進があると発言した。同氏は、「彼は、複数のテレビ局を閉鎖した。彼は、私たち(米国)の選挙への介入に関係ある人物や、ウクライナ経済や社会全体に損失をもたらす行動を取ってきた人物に対して制裁を発動している。そのため、私は、彼は多くのことを学んだと思っているし、現在、当初よりより強い立場を有していると思っている」と発言した。

なお、ゼレンシキー大統領とバイデン米大統領は、9月1日にワシントンで会談する予定。