民族主義団体と警察が衝突 負傷者あり 記者襲撃も

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14日、キーウ(キエフ)にて、民族主義政党「国家軍団党」による政権批判集会が行われ、警察との衝突に発展した。

集会は、中央政権各機関の前で行われた。とりわけ、大統領府近くにて、集会参加者と警察の衝突が発生した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

参加者は、全国から集まった国家軍団党代表者や国家警護隊特殊部隊「アゾフ」退役兵など約1500名で、「政治的弾圧」や「クレムリンに対するウクライナの降伏」への反対を主張した。

写真:国家軍団党・内務省

写真:イェウヘン・コテンコ/ウクルインフォルム

集会は、13時に開始。参加者が大統領府前に到着したのは約13時30分。大統領府前にて、活動家やボランティアが集まり、警備に当たっていた警察官が衝突。催涙ガスや発煙筒が飛び交い、現場は一時騒然となった。

内務省報道官のシェウチェンコ氏は、フェイスブック・アカウントにて、警察側は集会参加者が危険物を所有していないかを確認するための持ち物検査を拒否したため、大統領府前の通りを通さなかったとし、強制的手段を行使せざるを得なくなったと説明した。

また、シェウチェンコ氏は、7名の警察官が負傷したと伝えた。警察は同日、警察官負傷について刑事捜査を開始している。

その他、同日の集会終了後、ニュースサイト「ブクヴィ」は、同メディア所属の記者オレクサンドル・クジェリニー氏が集会参加者に暴力をふるわれたと伝えた

クジェリニー氏によれば、集会後、複数名が同氏のもとに現れ、攻撃的な振る舞いで同氏の撮影した写真の削除を要求した上で暴力をふるったとのこと。

同氏は、「私に、携帯電話を取り出し写真を消すよう要求してきた。私は、私は記者だ、写真を撮るために来たのだと説明した」と述べた。彼が写真削除を断ると、殴る蹴るの暴力をふるわれたという。これにより同氏は怪我を負っている。その後、他の記者が近づいたことで、暴行は止められたのこと。

キーウ市警察は、本件についても刑事捜査を開始したと発表している。

また、国家軍団党は同日、本件について、暴力をふるった者は「罰」を受けたとし、記者への謝罪声明を公開した

同等声明には、「現時点で、襲撃者は罰を受け、オレクサンドル氏に謝罪した。私たちの運動は、報道機関代表者への暴力はいかなるものも非難している。オレクサンドル氏に本件に関して謝罪する。なぜなら、それは私たちの行事で起きたものであり、私たちがそれに責任があるからだ」と書かれている。