ゼレンシキー大統領、先住民法に署名

ゼレンシキー大統領は21日、自らが主導し、最高会議により採択された「ウクライナの先住民法」に署名した。

大統領府広報室が伝えた

発表には、「同法は、先住民の文化面、情報面、その他の権利の最大限の保護、ウクライナ国家と活動するメカニズムと手段の先住民への付与を目的としたものである。特に、先住民の代表機関が承認される」と書かれている。

また、同法がウクライナのクリミア半島にて形成された先住民は、クリミア・タタール人、カライム人、クリムチャク人だと定めていると説明された。

その上で大統領府は、「ウクライナの先住民」とは、独自言語、文化を有し、伝統、社会、文化あるいは代表する機関をもち、自らをウクライナの先住民だと認識しており、人口の中で民族的マイノリティーとなっており、ウクライナ国外に自らの国家を有さないウクライナ領内で形成された民族集団であるとの定義を説明した。

同法によれば、先住民は、自らの信仰・宗教・文化上の伝統・習慣を維持、再生、発展、有形・無形文化遺産の保全、宗教・文化上の場所・施設のリスト承認、歴史上の地名の回復、自らの言語、歴史、文化の学習を確保するための教育機関との協力の権利を持つとのこと。

また、先住民は、代表機関を通じて、自らの報道機関を創設し、また国家からのサポートを受ける権利を有すと書かれている。

加えて、先住民は、クリミア自治共和国・セヴァストーポリ市の領内での天然資源を利用することでの収入を得ることができると説明されている。

同法は交付日から発効するとあるが、一部(天然資源利用)は、クリミアがウクライナの法空間に戻ってから効力を持つと書かれている。

これに先立ち、7月1日、最高会議(国会)が「ウクライナの先住民」法案を採択していた。法案説明文には、同法案の目的は、ウクライナの先住民の法的地位を定義し、国際法やウクライナ憲法・国内法で定められている、ウクライナの先住民に属す人々のあらゆる人権と基本的自由の完全な運用を法的に保証することにあると書かれている。