ゼレンシキー大統領、イタリア外相と東部情勢と独露ガスパイプラインにつき協議

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ゼレンシキー大統領は10日、キーウ(キエフ)を訪問したイタリアのディ・マイオ外相と会談し、ウクライナ東部や国境沿いの治安情勢、独露間で建設が続くガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の脅威につき協議した。

大統領府広報室が伝えた

発表によれば、ゼレンシキー大統領は、ロシア連邦はウクライナ国境から少数の部隊・機材しか撤退させておらず、平和的情勢解決プロセスも妨害し続けているとし、そのためロシアに対する国際的圧力のさらなる強化が重要だと強調した。

大統領は、「主権と領土一体性へのサポートをはじめ、多くの分野におけるイタリアのウクライナへの支持につき感謝している」と発言した。

これに対して、ディ・マイオ外相は、イタリアはウクライナの主権と領土一体性を完全に支持していると明言した。

両者は、G7首脳会談とNATO首脳会談をはじめ、近々複数の国際行事が開催されることと関連して、喫緊の議題に関する意見交換を行なった。

ゼレンシキー大統領は、独露間で建設されているガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」プロジェクトの実現はウクライナと欧州にとっての安全保障上の挑戦だと指摘し、「ノルド・ストリーム2を開始させないことが欧州のエネルギー安全保障上の利益だ」と発言した。

その他、両者は、ウクライナの欧州大西洋・欧州統合問題についても協議を行なった。ゼレンシキー大統領は、ウクライナにとってはNATO加盟行動計画(MAP)を付与することが重要であると強調し、イタリアがウクライナのNATO加盟へ向けた努力を支持することへの期待が表明された。

大統領は、ウクライナはEUとの連合協定の履行の一環で改革を実施することにコミットしているとしつつ、明確な欧州展望(EU加盟の展望)が得られることは「成功する国の建設にとって追加的な後押しとなるだろう」と発言した。

両者はまた、首脳レベルでの政治対話の発展、とりわけイタリア首脳陣の今年8月に開催されるクリミア・プラットフォーム立ち上げ首脳会談とウクライナ独立30周年記念式典への出席につき協議を行なった。

大統領はまた、ウクライナ・イタリア間の貿易・経済連携の活発な発展を肯定的に評価した。大統領は、「私たちは、両国関係の新しいサクセスストーリーを作り出すだけの大きな潜在力を持っている」と発言した。

両者は、イタリアのウクライナ人コミュニティーが両国関係強化において重要な役割を果たしていると指摘した。

ディ・マイオ外相は、ゼレンシキー大統領に対して、昨年の新型コロナウイルス感染拡大との闘いの際に、ウクライナがイタリアへ支援を提供したことにつき、謝意を表明した。

ゼレンシキー大統領は、両国の人の繋がりの重要性と観光再開のための方策の必要性を強調した。

写真:大統領府