イラン、ウクライナ機撃墜の賠償金支払いの開始を発表

在ウクライナ・イラン大使館は、2020年1月にテヘラン近くでウクライナ国際航空の旅客機撃墜の被害者遺族に対する賠償金支払い開始を発表した。

7日、イラン大使館がフェイスブック・アカウントにて発表した

発表には、「(イラン)政府が決議を確定し、同決議により、亡くなった方一人一人につき15万ドルが遺族に支払われる。相続法の規範に従って、外国人にも、イラン国民にも支払いが行われる。それ以前に遺族の中には、すでに賠償金を受け取った者もいる」と書かれている。

さらにイランは、ウクライナ国際航空事件犠牲者支援調整グループについて、「賠償金支払い問題を政治化している」などと批判した。

PS752便撃墜事件とは、2020年1月8日、イラン首都テヘランのイマーム・ホメイニ空港を離陸した後、キーウ(キエフ)に隣接するボリスピリ空港へ向かっていたウクライナ国際航空のボーイング737が撃墜された事件のこと。同機には、乗客・乗員計176名が搭乗。ウクライナ国民11名を含む、その全員が死亡している。

イランは、1月11日にウクライナ航空機を誤射で撃墜したことを認める発表を行なっている。

しかし、その後、ウクライナとイランの両国政府の間にて、事件捜査や賠償金をめぐり見解の対立が続いている。2021年4月9日、ウクライナ外務省は、イラン外務省の事件に関する発表につき、現実的な証拠による裏付けのない発表は信用しないとする批判コメントを発出している