EU、ロシアに対し違法に拘束するクリミア・タタール人全員の解放を要求

欧州連合(EU)は、ロシア政権に対して、クリミアの人権保護活動家のエミル=ウセイン・クク氏含め、いわゆる「イスラム解放党裁判」にて断罪され拘束されている全ての人物を解放するよう要求している。

26日、ピーター・スタノ欧州委員会報道官がツイッター・アカウントにて伝えた

スタノ報道官は、「ロシアは、クリミア・タタール人と人権保護者を迫害し続けている。在露EU代表部の代表者は、本日のエミル=ウセイン・クク氏の裁判を傍聴した。EUは、その他のクリミアにて国際法に違反する形で拘束されたり投獄されたりしている人物全員同様、クク氏を速やかかつ無条件に解放するよう呼びかけてきた。クリミアは、ウクライナである」と書き込んだ。

これに先立ち、同日、ロシア連邦最高裁判所は、通称「イスラム解放党裁判」のヤルタ・グループ6名に対する南部軍管区裁判所の判決を無効化する要求を完全に棄却する判決を下していた。

2016年2月11日、被占領下クリミアのヤルタとアルシュタにて、ロシア占領政権当局が、宗教活動家のムスリム・アリイェフ氏、実業家のヴァディム・シルク氏、人権保護活動家のエミル=ウセイン・クク氏、学校警備員のインヴェル・ベキロフ氏の自宅へ家宅捜索を行い、これら人物を拘束していた。その後、さらにアルシュタ地区クラスノカムヤンカ村にて、料理人のアルセン・ジェパロフ氏と商業従事者のレファト・アリモフ氏も拘束された。

これら人物の「裁判」は約3年半審理され、2019年11月12日、ロシア南部軍管区裁判所にて、ムスリム・アリイェフ氏には19年の厳格収容所への収容、エンヴェル・ベキロフ氏は18年、ヴァディム・シルク氏とエミル=ウセイン・クク氏は12年、レファト・アリモフ氏は8年、アルセン・ジェパロフ氏は7年の拘禁の判決が下されている。