欧州評議会閣僚委員会がクリミア脱占領支援の決定採択=ウクライナ外務省

欧州評議会閣僚委員会は11日、ロシアが占領するウクライナ南部クリミアにおける人権状況に関する決定を採択した。

ウクライナ外務省広報室がコメントを発出した

外務省コメントには、「ウクライナ外務省は、2021年5月11日に欧州評議会閣僚員会がウクライナが主導した決定『クリミア自治共和国とセヴァストーポリ(ウクライナ)における人権状況』を採択したことを歓迎する」と書かれている。

外務省によれば、同決定には、ロシア連邦によるクリミア占領が非難されており、同占領により国際法規範と欧州評議会の原則が弱体化していること、占領国がクリミアにて人権を著しく侵害していることが記述されているという。

コメントには、「欧州評議会外務委員会は、私たちの国の独立と主権への支持に関する立場が不変であることを確認し、ロシア連邦に対して、国際的に認められた国境内でのウクライナの領土一体性を回復することを要請した。この決定の採択は、クリミア問題が今後も、この組織の主要運営機関である閣僚委員会の強い注意の的となり続けることを示した」と書かれている。

また、決定には、ロシアに対して、違法に拘束しているウクライナ国民全員を解放するよう、またクリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」の活動に対する違法な禁止を解除するよう呼びかけられているという。

その他、同決定には、欧州評議会人権委員長に対して、被占領下クリミアの状況を恒常的にモニターするよう要請されているという。とりわけ、欧州評議会事務局長が閣僚委員会に対して、少なくとも年に1回はクリミアの状況に関する報告を行うことが想定されていると説明された。

コメントには、クリミアの状況をモニターするために、被占領下クリミアへの欧州評議会人権保護メカニズム(編集注:人権監視ミッションなど)に対して、ロシアが完全かつ障害のないアクセスを提供することが重要であり、その際の監視活動は、ウクライナの主権と領土一体性が尊重され、ウクライナ国内法と「一時的被占領下にあるウクライナ領」というクリミアの地位が然るべく考慮された上で行われるべきという立場が原則的なものであり続けていると書かれている。

外務省は、今回の決定は、欧州評議会閣僚委員会によるクリミア問題に限定した内容としては2本目の包括的決定だと説明した。