国際NGO、被占領下クリミアの自由指数を北朝鮮・シリア並みと評価

国際NGO「フリーダム・ハウス」は、2020年度版の政治権利・市民の自由の報告書において、ロシア連邦により一時的占領下にあるウクライナ南部のクリミアの自由の指数を調査対象の国・地域全210中201位と評価した。

クリミア人権保護グループがフェイスブック・アカウントにてフリーダム・ハウスの報告書の内容を伝えた

クリミア人権保護グループは、「クリミアは、不自由と定められ、(100点中)極めて低い評価の7点となっている。これと同じ、あるいはこれより低い点数を取ったのは、数か国・地域しかない。具体的には、北朝鮮、シリア、ロシア連邦により占領されているドネツィク・ルハンシク両州、サウジアラビア、赤道ギニア、トルクメニスタン、エリトリア、チベット、ソマリアだ」と伝えた。

フリーダム・ハウスの報告本文では、クリミアの占領政権は住民の権利を著しく制限していると説明されている。

同報告には、「クリミアの占領政権は、政治・市民の権利を激しく制限しており、半島領内にて独立した報道機関へのアクセスをブロックし、ロシアの反テロ法を占領政権の行動に同意しない市民への政治的迫害に用いている。多くのウクライナ人が、追放される、あるいはクリミアをやむ得なく立ち去っている」と書かれている。

報告書にはまた、クリミアにおける報道の自由が深刻に制限されていることが記載されている。クリミアの記者たちは、自らの仕事によって、迫害、逮捕、拘禁されるリスクを抱えていると指摘された。また、集会の自由も制限されており、公の場でのイベントは、政権の許可なく開催することはできないとのこと。さらに、ソーシャルメディア上のコメントは、「政権」により監視されていると報告された。

フリーダム・ハウスは、「ロシア連邦保安庁(FSB)は、住民に対して、占領への抗議を表明する人物についての報告を求めており、恐怖と脅迫の雰囲気がプライベートで政治的問題を議論することを妨げている。FSBは、頻繁に占領やクリミア・タタール人への弾圧を批判する人物に対する刑事捜査を行なっている」と報告した。

なお、同報告におけるウクライナの順位は100点中60(部分的に自由)、日本の順位は100点中96(自由)となっている。