露がクリミア・ドンバス占領で払う代償は増え続けるべき=バーシュボウ

西側諸国は、ロシアに方針変更を強制させ、ドンバスとクリミアの占領継続は、ロシアの国家予算にとってさらに負荷となることをわからせるべく、外交努力を続けなければならない。

8日、元北大西洋条約機構(NATO)事務次長、元駐露米大使である、アレキサンダー・バーシュボウ氏がアトランティック・カウンシル主催のウェビナー「バイデンは、プーチンをウクライナから撤退させられるか?」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

バーシュボウ氏の発言は、ウクルインフォルムの記者による「先週のジョセップ・ボレル欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表の論議をもたらしたモスクワ訪問は、西側の対露政策を変える可能性、対ウクライナ支持を変える可能性があるか」との質問に対して答えたもの。

バーシュボウ氏は、「ボレル氏の訪問は、欧州の人々にとって屈辱的なものであった。私は彼らのコメントにてそのことを目にしている。ボレル氏は、単に草むらに押し出されたのではなく、挑発的なラヴロフ氏との会合のためにそこへ向かったのだ。私は、ボレル氏がその際十分に強力な対応を取ったとは思っていない。しかし、会合は象徴的であった。ロシアは現在、西側に囲まれているという感覚を有している。ただし、ロシアは、ウクライナに対する攻撃的態度、ベラルーシに対する脅迫、殺人の試みに失敗した後のナワリヌイ氏の拘束をしたことにより、自らをこそを責めるべきである」と発言した。

同氏はまた、そのような状況は西側にとって、ロシアとの関係改善の展望を非常に難しくしているとしつつ、同時に、西側が二者間関係やドンバス問題などで、ロシアを外交的に変える試みを止めるべきという意味でもないと述べた。

同氏は、「ロシアに対して、現状維持をすればするほど代償が増加し続けるということ、ドンバス占領によるロシアの国家予算への負担は増え続ける一方であるということを、理解するための機会を与えるべきだ。もしロシアの納税者が、『アメリカの声』やその他のメディアから、それらのことをよりよく把握すれば、彼らは、そのような冒険主義は自分の長期的利益に適っていないのではないかと、疑問を抱くかもしれない」と発言した。

同氏は、重要なのは、ロシアがウクライナに居座り続ける場合に、西側の対露制裁が単に維持されるだけでなく、より実感される内容になっていくことをロシアに示すことだと指摘した。そして、その場合、NATOとウクライナの関係は深化し続けていき、ロシアが占領地を維持しても、ウクライナの欧州大西洋願望に対する拒否権とはならないことを、ロシアにさらに明確に理解させる機会となると発言した。

さらに同氏は、「もう一つの課題は、ロシアの人々に、プーチンが誤った方向に彼らを連れて行っていることをはっきりわからせることだ。私は、それがすぐに起こるとは思わないが、しかしプーチンにドンバス戦争における支出を減らさせることはそのうちできると思っている。私は、バイデン政権はクリミア問題を忘れるつもりがないことを明確にするだろうと思っている。ただし、ドンバス問題こそが、対露関係において、ロシアに方針変換をさせるためのポイントとなるべきだと思う」と発言した。