ユネスコ、被占領下クリミアの状況悪化を指摘

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の執行理事会は22日、クリミアの状況モニターの結果となる第12回決定「クリミア自治共和国(ウクライナ)の状況モニター」を採択した。

ウクライナ外務省が伝えた

ユネスコ事務総長の報告には、ウクライナや国際機関の集めた情報が、クリミア自治共和国とセヴァストーポリ市における人権状況のさらなる悪化を示していると書かれている。

また、占領政権の行動が、思想・信仰・宗教の自由、集会・結社の権利、報道の自由、情報へのアクセス、言語権・文化権に脅威をもたらしていると指摘されている。

外務省はまた、今回提示された情報が「(ユネスコの管轄分野に入るものを含めた)人権侵害で苦しんでいる最も脆弱なグループとなっているのは、クリミア・タタール人、ウクライナ人であり、占領政権からの著しい圧力にさらされている」ことを示していると指摘した。

また報告には、占領政権がクリミアにあるウクライナに属する文化資産に対してもたらたダメージについても記述がある他、違法な自然保護地域のステータス変更による自然遺産の保護のレベルの低下の指摘もあるとのこと。

今回の決定採択にしたがい、ユネスコ事務総長が被占領下クリミアの状況について第212回ユネスコ執行理事会にて、モニター結果にもとづいた報告を行うと説明されている。

ウクライナ外務省のエミネ・ジャパロヴァ第一次官は、「今回の決定の採択は、私たちの国の主権と領土一体性を支持するという国際社会の強固な立場の再確認となっており、ロシアの侵略政策へ抵抗する重要な手段であり、クリミア脱占領に向けた国際努力団結の要素でもある」と発言した。

外務省は、補足情報として、2021年1月時点で、ユネスコは、一時的被占領下クリミアにおける科学・情報分野の状況モニターのために、ウクライナに対する複数のミッションを実施している他、教育分野のモニターも開始していると伝えた他、今後、文化分野、文化遺産分野のモニターも行われなければならないと指摘した。