「イランがウクライナ航空機撃墜事件の報告書案を送ってきた」=クレーバ外相

ウクライナは、イラン・イスラム共和国から、2020年1月8日にテヘラン近くにおけるウクライナ国際航空旅客機撃墜事件の技術報告書案を受け取った。

ドミトロー・クレーバ外相がニュースサイト「オボズレバテリ」へのインタビュー時に発言した

クレーバ外相は、「報告書案を私たちが受け取ったのは、12月31日であった。ツリーの下のプレゼントかのようにだ。これにコメントと指摘を行う期間が2か月間設けられている。これは、今後さらに前進するにあたって非常に重要な段階であり、これなしでは、補償金支払いや全体の正義について合意することは不可能なものである。現在、言葉が行動で確認されているところである」と発言した。

外相はまた、最近情報空間に補償金の金額に関する話が流れていたが(編集注:イラン政府が各遺族に対して15万ドル支払う可能性があるという報道が流れていた)、ウクライナはイランから本件について公式な連絡を受けていないと指摘した。

外相は加えて、「過去1年間の経験で私たちは、イランの報道内の情報には極めて慎重に向き合うべきであると学んだ。一つ一つの報道にフィルターをかけるべきだと話されている。今のところ、私は、イラン政府から公式な提案を受け取っていないし、私たちは、数字に関して、ニュースの中のメッセージにはいずれのものにも注意を向けていない。私たちは、ウクライナ国民に対しても同様に行動するよう要請する。本件を巡っては、情報的騒音があまりに多い」と強調した。

これに先立ち、2020年12月30日、イランの国営IRNA通信が、イラン政府がウクライナ航空機撃墜事件の犠牲者遺族に対して、15万ドルあるいは相当のユーロの補償金額を確定したと報じていた

PS752便撃墜事件とは、2020年1月8日、イラン首都テヘランのイマーム・ホメイニ空港を離陸した後、キーウ(キエフ)に隣接するボリスピリ空港へ向かっていたウクライナ国際航空のボーイング737が撃墜された事件のこと。同機には、乗客・乗員計176名が搭乗。ウクライナ国民11名を含む、その全員が死亡している。

イランは、1月11日にウクライナ航空機を誤射で撃墜したことを認める発表を行なっている。