ウクライナのNATO加盟の障害は露侵略と汚職=米大使代行

クヴィン駐ウクライナ米大使臨時代行は、米国は引き続きウクライナが欧州大西洋統合(NATO加盟)を進む上でゼレンシキー大統領と協力していくと発言した。

17日、クヴィン大使代行がオンラインフォーラム「改革対話:ヴィルニュスへの道」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

クヴィン大使代行は、「米政権は、今後も、ウクライナが欧州大西洋協力・統合を試みる上でゼレンシキー大統領と協力していく予定だ」と発言した。

同時に同氏は、現在ウクライナの欧州大西洋統合の前に存在する挑戦は二つあると述べ、「1つ目は、ウクライナはロシアの侵略との戦いにおける複数の前線に立っていることだ。それは、クリミア併合、ドンバス紛争、それにロシア領やロシアの同盟者から拡散されるサイバー攻撃、偽情報だ」と指摘した。

加えて、大使代行は、もう一つ、ウクライナには国内の挑戦もあるとし、それは汚職との闘いだと指摘した。

同氏は、「ゼレンシキー大統領は、政権入りした際に、汚職と闘い、ウクライナ政府は今までより良い仕事をし、平均的ウクライナ人が結果を見られるようにすると述べていた。彼は、その点で一定の成功をあげ、改革は行われている」と発言した。

また同氏は、ウクライナ国内にいるロシアの同盟者たちが「親欧州的なナラティブ(言説)がおとしめられ、反西側的ナラティブを形成しようとしている」と指摘した。

同氏は、「現在、国外からウクライナ内政に影響を及ぼそうとしている者がいるとの声が聞こえる。そしてその言説は、公平なものではない。西側パートナーたちは、ウクライナを支持している。他方で、金稼ぎをしようとしている者、ウクライナの欧州統合の道が破綻するのを楽しみにしている者もいる。そこで不可欠なことは、ウクライナの機構がウクライナ国民に報告し続ける体制を作り出すことなのだ。(中略)またゼレンシキー大統領は、司法改革を終わらせると発表した。もしウクライナがその言葉を守れば、その改革はウクライナを欧州国家のレベルに引き上げることになる」と指摘した。

なお、米国では11月3日の大統領選挙の結果、民主党のジョー・バイデン候補が勝利している。ジョー・バイデン氏は、米副大統領を務めていた際にウクライナの汚職対策改革の重要性を繰り返し主張していた。バイデン氏は、2015年12月8日のウクライナ最高会議での演説の際に、ウクライナにはロシアの侵略と汚職という二つの主要な問題があると述べている