ウクライナ、選挙扇動を受けハンガリー高官2名を入国禁止 ハンガリー側は批判

ウクライナ政府は、シーヤールトー・ハンガリー外相が25日の地方選挙時に、ザカルパッチャ州のハンガリー系政党を支持する扇動メッセージを出したことなどを受け、ハンガリー高官2名のウクライナ入国を禁止した。

ドミトロー・クレーバ外相がインターファクス・ウクライナ通信へのインタビュー時に発言した

クレーバ外相は。「すでに2名のハンガリー高官のウクライナへの入国が禁止された。選挙運動期間中にザカルパッチャ州にて直接的扇動を行っていた人物だ。1名は、ハンガリー首相府事務次官である」と伝えた。

外相はまた、他数名、同様にウクライナの内政に積極的に関与したハンガリー人の入国禁止措置が準備されていると伝えた。

外相は、「私たちのパートナーには、ハンガリー側からの選挙介入の事実について近々詳細に報告される。私たちはすでに、欧州安全保障協力機構(OSCE)監視団に本件を伝えた」と発言した。

クレーバ外相は、本件は、ウクライナ内政への干渉以外の何ものでもないと強調した。

外相はまた、「フェイスブックにおける私の同僚、シーヤールトー・ペーテル氏(ハンガリー外相)のメッセージにのみ全てを集約すべきではない。今回の話は、ハンガリー政治一般に関することだ。私たちの立場は非常にシンプルであり、私たちは昨日そのことに評価を下した。ハンガリー政権が選挙期間と投票日に行った振る舞いは、ウクライナ内政への介入である」と発言した。

外相は、ウクライナはハンガリーと建設的な関係を築く準備があるが、同時にハンガリーがウクライナの国益と国内法を軽視すれば、断固とした明確な行動を取ると説明した。

これに対して、シーヤールトー・ハンガリー外相は、今回のウクライナの対応に対して、「哀れで、無意味だ」と発言した。ロイター通信が報じた

シーヤールトー外相は、「そのような手段を通じて、ウクライナは私たちに対し、自身の欧州大西洋統合努力へのハンガリーの支持を断るというメッセージを送っているのだ」と発言した。

また同外相は、駐ウクライナ・ハンガリー大使がウクライナ外務省に召喚されたことと、政府高官がウクライナへの入国禁止となったことにつき、「非友好的行動」だと述べた。同時に同外相は、ハンガリーはまだウクライナから入国禁止に関する正式な報告を受け取っていないと発言した。

加えて同外相は、ウクライナ地方選挙の際、ザカルパッチャ州にてハンガリー系候補が勝利したことを歓迎した。

なお、ハンガリーは、2018年にウクライナ最高会議が採択した教育法第7条の言語関連部分の改正を求め続けており、要求を提示するとともに、ウクライナ・NATO委員会の開催を妨害し続けている。

2020年10月25日のウクライナ地方選挙投票日、ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外務貿易相はフェイスブック上で、ザカルパッチャ地方の少数民族政党「ウクライナ・ハンガリー人党」を支持するようハンガリー系ウクライナ国民に呼びかけていた。

これに対して、ウクライナ外務省は、イージャルトー駐ウクライナ・ハンガリー大使を召喚して抗議の口上書を手渡している。