三者グループ、ドネツィク州シュミー町の「共同調査」実施に合意

東部情勢

三者コンタクト・グループ(TCG)は、ドネツィク州のコンタクト・ライン沿いのシュミー町を欧州安全保障協力機構(OSCE)代表者参加の上で、TCG関係者が「共同調査」をすることで合意した。

9日、大統領府広報室が同日のTCGビデオ会合の結果を伝えた

発表には、「協議参加者は、OSCE調整官の代表者を参加させた上での自治体シュミーでの共同調査につき合意した」と書かれている。

また、発表によれば、ウクライナ側は、調査参加者全員のロジスティックと安全保証を保障するとのこと。

更に、会合では、OSCEが7月5日から9月2日の期間のシュミーにおける活動についてウクライナ軍に対する非難は無根拠であることを改めて認めたとある。ヤシャル・ハリト・チェヴィクOSCEウクライナ特別監視団(SMM)団長は、「それは、本年9月5日付の私たちの報告書に書かれている事実である」と強調したとのこと。

クラウチュークTCGウクライナ代表は、「今日という日は、私たちに、停戦体制が全ての当事者によって今後も履行されていくという希望を与えている。この目的のため、ウクライナは、ウクライナの軍人や民間人の命を守ることを可能とする、TCGや、ノルマンディ・フォーマットのメカニズムを全て機能させていく。私たちは、平和プロセスと達成された合意の履行に完全にコミットし続けている」と発言した。

なお、これに先立ち、ロシア武装集団は、シュミー近くのウクライナ統一部隊配置地点に対して砲撃すると脅迫を続けていた。武装集団側は、ウクライナ軍があたかも停戦合意に反する形で「新たな塹壕」を作っていると主張していた。

これに対して、ウクライナの統一部隊作戦本部は、この情報を否定している。更に、OSCE/SMMは、9月5日付報告書にて、シュミー近郊のウクライナ側配置地点には何の変化も観察されていないと伝えていた。

以上のことを踏まえると、今回の大統領府の発表にはこの度実施が合意された「共同調査」を誰が実施するのかは明示されていないが、ウクライナ統一部隊側とロシア武装集団側の代表者がOSCE代表者の参加の下でシュミーの調査を行うと考えられる。