クチマ元大統領、三者グループのウクライナ代表を辞任

レオニード・クチマ元大統領は、ウクライナ、ロシア、欧州安保協力機構(OSCE)からなる三者コンタクト・グループ(TCG)のウクライナ代表を辞任する。

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は、クチマ氏に対して、これまでのTCGウクライナ代表としての活動につき謝意を伝え、クチマ氏の辞任の決定に敬意を持って接すると伝えたとのこと。28日、大統領府広報室が発表した

ゼレンシキー大統領は、クチマ氏に「平和達成のためにあなたがミンスク・プロセスの障害を取り払うために払った全ての努力に感謝している。あなたの経験は、極めて重要であり、極めて必要であった。これからもあなたの忠言をいつでも聞く準備がある」と発言した。

クチマ元大統領は、過去1年間でTCGの活動が再開され、著しい進展があり、複数の重要な行動が実現され、重要な合意が達成されたと発言した。

クチマ氏はまた、今後も必要な場合は経験を共有し、平和確立に向けた道を進むための協議を行なう用意があると明言した。

なお、レオニード・クチマ氏は、1994年から2005年にかけて、ウクライナ第2大統領を務めていた人物。三者コンタクト・グループ(TCG)のウクライナ代表団を長らく率いていた。

本年5月、ゼレンシキー大統領は、クチマ氏がTCGウクライナ代表権限をオレクシー・レズニコウ副首相に譲ることを提案したと明かしている。その際、ゼレンシキー大統領は、ロシア側のTCG代表団が刷新されるまで待って欲しいとクチマ氏を説得したと述べていた。

5月5日、ゼレンシキー大統領は、オレクシー・レズニコウ副首相をTCGウクライナ第一副代表にするなど、TCGウクライナ代表団を刷新したが、代表は引き続きクチマ氏が担っていた。

写真:大統領府広報室