ジャパロヴァ外務次官「クリミア脱占領戦略は完成しているが非公開」

ウクライナ政権は、クリミア脱占領戦略を作成したが、同文書は現時点では非公開扱いとなっている。

エミネ・ジャパロヴァ外務第一次官が国営テレビ家局番組内にて発言した

ジャパロヴァ次官は、「私たちは、『クリミア脱占領戦略』を作成した。同文書は、現時点では非公開である。というのも、このような問題に関する文書は、より大型のものであると考えているからだ。今回作成されたものは、大型の脱占領戦略の一部に過ぎない。私たちは、遅かれ早かれ、ウクライナは様々なレベルで同戦略を発表できることを期待している」と発言した。

また、次官は、ウクライナ外務省がクリミア問題を取り扱う国際対話プラットフォームを創設する計画を有していると伝えた。次官は、国際社会のクリミア問題に対する反応は非体系的で非定期的なものだとし、クリミア併合を認めさせたいロシアがそのような国際社会の反応を利用しているのだと説明した。

ジャパロヴァ次官は、「私たちは、クリミアに特化した正式なプラットフォームの創設を目指して努力している。なぜなら、それには大きな需要があるからだ。ドンバスに関しては、対話の形式もあれば、ドンバスの未来についても議論もある。それがノルマンディやミンスク・フォーマットであり、つまり、国際的注意を同問題に向けさせる場があるのだ。しかしながら、クリミアに関しては、残念ながら国際社会の注意は、分散されており、一貫していない。何かが起きた時に、声明や反応があるだけだ。私たちは、現時点におけるクリミア問題における最大の課題は、公開性だと理解している。なぜなら、ロシア連邦は、占領と和解させ、現状維持を国際社会に認めさせるべく、絶大な努力を注いでいるからだ」と発言した。

次官は、ロシアは認知のレベルやハイブリッドな手法など、様々な形態を通じて、国際社会にクリミア併合を受け入れさせようとしているとしつつ、同時に、そのロシアのメッセージの実態は「住民の意思の発露があった」とか「クリミアはロシアのものだ」といった空虚なものであると指摘した。

これに先立ち、クリミア自治共和国ウクライナ大統領代表であるアントン・コリネヴィチ氏は、一時的被占領地再統合問題担当省を中心とする作業部会が、クリミア脱占領・再統合戦略を作成しているが、この文書の一部は非公開扱いとなると発言していた。