ゼレンシキー大統領、復活祭前日に国民へ国の未来のために自宅にいるよう呼びかけ

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は18日、ウクライナ国民に対して、復活祭をはじめ引き続き外出しないよう呼びかけ、それが国民の健康と国の未来のためだと説明した。

大統領がフェイスブック・アカウントに呼びかけ動画を掲載した

大統領は、「復活祭は、団結の祭である。今日国全体が外に出たいという唯一の願いを抱いている。(中略)覚えているだろうか、子供の頃、親があなたの外出を認めなかった時のことを。今は、私たちが両親を外に出さないようにしている。それは復讐ではなく、世話である。私たち皆が家に居続けることは、本当の団結となる。医師のための団結、国民の健康のための団結、つまり、国の未来のための団結である」と強調した。

大統領は、外に出たいという人々の願いは理解している、なぜなら朝から晩まで執務室に一人で座っており、窓も開けられないのだからと述べた(編集注:現在キーウ(キエフ)市では森林火災による激しい大気汚染により窓を開けないよう勧告されている)。

同時に大統領は、今日は大統領である自分も休日であり、自宅にいると、大統領も人であると発言した。

大統領は、「そう、私たちは家に居続ける。休日や防疫期間の後に、体温計の数字ではなく、体重計の数字になら驚かされても良いではないか」と指摘した。

大統領は、自身は仕事中、ほぼ常に会合、会議、電話、協議を行っていると述べつつ、「あれだけたくさん話しているのだから、帰宅してからの唯一の願望は沈黙することだ。ただし、私は最近理解したのだ。私はその(沈黙の)時間、黙っているのではなく、神に呼びかけているのだ、と」と述べた。

大統領はその上で、ウクライナの人々皆の神への願いは、言葉こそ違えど、中身はどれも同じだと述べ、それは「親が長生きしますように。子供が幸せでありますように。孫がせきをしませんように。愛する人が常にそばにい続けますように。ウクライナの全てがうまくいきますように。私たち皆が生き、健康でありますように」というものなのだと説明した。

大統領は、「神がその願いを叶えますように。そして、私たちは(家にいることで)神を助けようではないか。家にいよう。親愛なるウクライナ国民よ、キリストの山上の説教の知恵を思い出そう。『善行を見せびらかすな』。最も強い信仰とは、心の中の信仰である」と発言した。

そして、大統領は、ウクライナの人々の心に善と光と慈悲が、家の中に喜びと富と愛が、ウクライナの大地に平和が訪れるよう祈願し、最後に人々に健康と神の恵みとおいしいパスカ(編集注:復活祭に食べられるパン)が訪れますようにと願いを述べた。