元米国ウクライナ問題代表、仏大統領による露大統領への「へつらい」の問題を指摘

フランスのエマニュエル・マクロン大統領によるロシアに対する「政治的へつらい」行動と、ウラジーミル・プーチン大統領との「交渉開始」は、ロシアがウクライナに対する武力侵略を維持しているにもかかわらず、ロシアに対する圧力を弱めることになりかねない。

米国務省にてウクライナ問題担当を務めていたカート・ヴォルカー元特別代表がウクルインフォルムへのインタビューの際に発言した。

ヴォルカー氏は、「ごく最近、私たちは、マクロン大統領がプーチン大統領に向けて『序曲』を提示するのを目にした。私は、それは欧州において、とりわけメルケル(独首相)とキリスト教民主同盟の役割がドイツで低下している中で、(仏大統領による)リーダーシップを強めたいという願望の一部なのだと思っている」と指摘した。

同氏は、そのマクロン氏の行動がウクライナにとっての不確定な状況を生み出していると指摘し、「その結果として、ロシアに対する圧力低下を引き起こすおそれがあるのだ」と発言した。

同時にヴォルカー氏は、紛争解決に関する外交努力において米国からの積極的な立場表明が不在であることが、部分的に状況を複雑にしているとも指摘した。

同氏は、「他方、ポンペオ国務長官の(キーウへの)訪問の後、私たちは、米国の参加、米国のウクライナ・サポート・プロセスへの関与が復活することを期待している。私は、それが均衡を保障するものだと思っている」と強調した。

ヴォルカー氏は、米国と西側からの真の支援は、ロシア連邦による分離主義集団のコントロールや自国軍の関与に対する責任を同国に負わせねばならないという、明確な立場に基づくことで可能となるのだとの見方を示した。

更に同氏は、「加えて、ウクライナのための防衛支援の継続、更にはその増加もしなければならない。制裁も維持し、更にはそれを強化することも不可欠である」と指摘した。