ロシアはクリミアの人口構成を変えるために多大な努力を払っている=セメナ記者

ロシア連邦は、2014年以降占領を続けるウクライナ領クリミアの人口構成を変えるために、多大な努力を払っている。

22日、クリミアの記者ミコラ・セメナ氏が、国営企業「クリミアの家」にて開催された公開討論「クリミアの塩~不屈のクリミアとの連帯の日」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

セメナ記者は、「ロシア政権は、クリミアの人口を実質的に変えるために多大な努力を払っている。それぞれの町には、巨大な住居施設、学校、幼稚園、お店が建てられており、そこにロシア領から人々が移住してきている。例えば、私たちのいるシンフェローポリには、以前は35万程度の人口であったが、現在は60万人以上の人がいる。この人々は、あちら側から来た者たちであり、現地の生活に関するイメージを持たず、クリミア現地住民を軽視する人たちだ」と強調した。

セメナ氏は、クリミアの現地住民は現在、まともな職を得るのが以前より困難となっていると指摘した。同氏は、「(ロシア領から)非常に多くの人が送られてきて、幹部クラスのポストに据えられた。クリミア住民にはその下のポストしか残っていない」と発言した。

なお、ミコラ・セメナ記者は、被占領下クリミアにて記者活動を続け、ラジオ・スヴォボーダ通信内プロジェクト「真実のクリミア」にて記事を発表していた人物。2017年9月22日、シンフェローポリのザリズニチニー地区「裁判所」がセメナ氏に対して、2年半の執行猶予期間と3年間の公的活動の禁止判決を言い渡した。この判決に対して、セメナ氏は、思想の自由の権利を実現していただけだと主張。ウクライナ外務省、米国務省、EU、複数国際団体は、セメナ氏に対する判決を非難していた。

2020年1月28日、同「裁判所」は、セメナ氏の無罪を認め、執行猶予を解除する決定文書を発行。その後、2月19日にセメナ氏はキーウ(キエフ)を訪れている。