露が求めているのは、ウクライナ解体よりもキーウ政権支配=元米特別代表

ロシアは、戦略的目的を持ってドンバスとクリミアを占領している。同国にとって、その目的達成の最も望ましい形は、キーウ(キエフ)政権の支配であり、ウクライナ解体ではない。

ヴォルカー氏が、欧州プラウダ通信への特別代表辞任後初となるインタビューの際に発言した

ヴォルカー氏は、「ロシアは戦略的目的を有しているが、それはまだ達成されていない。ロシアにとって必要なことは、モスクワに対してより満足を与える、尽くしてくれる政権がキーウに現れることだ。(中略)あるいは、ウクライナが解体すること。しかし、私は、ロシアにとってより望ましい形は、(解体よりも)支配であろうと思う」と発言した。

同氏は、同時に、そのような支配は生じないと明言し、「私は、そう確信している。なぜなら、ウクライナがどのように変化したかを見てきたからだ」と強調した。

同氏は、ウクライナはより強固となっていると述べ、同国には民主的選挙が行なわれ、平和な政権交代が起こったことを指摘、更には経済が成長していると述べた。また、同氏は、「ウクライナ軍は、6年前とは比較にならないほどに強固となった。あなた方は、米国から殺傷武器を受け取り始めた。あなた方には、明確な国際的サポートがある」と指摘した。

なお、カート・ヴォルカー氏は、同氏は、2017年7月から米国務省にてウクライナ問題特別代表職に就き、ロシア大統領府側と非公式チャンネルを築いていた。しかし、2019年、ドナルド・トランプ米大統領の弾劾プロセスに関して、米議会にて証言を提供することに同意し、その際、利益相反行為を回避するべく、ウクライナ問題担当職を辞任している。