イランがウクライナ機撃墜の遺族に提示した8万ドルは少ない=ゼレンシキー大統領

イランは、1月8日の同国のウクライナ航空機撃墜により亡くなった人々の遺族に、8万ドルの慰謝料を提示したが、ウクライナ側はその額に同意していない。

2日、ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領がTSN局へコメントした

大統領は、「彼ら(編集注:イラン側)は、すぐに亡くなった人一人一人の遺族に対して8万ドルずつ提案したが、私たちはそれに同意しなかった。私は、それは少なすぎると思っている。亡くなった男性の配偶者が、彼が家族の唯一の稼ぎ手で、彼女に仕事はなく、子供は学校に入らないといけないというときに、8万ドルでは全く少なすぎるのだ。しかし、もちろん、人の命はお金とは比較できないが、それでも私たちは、賠償金がより多くなるよう圧力をかける」と伝えた。

大統領は、ウクライナは国際裁判所へと起訴するとし、「いかなる場合であれ、国際裁判は行われるし、いかなる場合であれ、補償がなされる。補償の一部だ。ウクライナ政府からは、私たちが、個々の遺族に対してすぐにできることとして、20万フリヴニャを支払った。別の補償は、ウクライナ国際航空から保険会社を通じた支払いだ。現在、保険会社は、イラン側と仕事がしにくい、複雑な状況になっている。なぜなら、イランは制裁対象だからだ。その件の出口は見つかっており、既に一遺族のために文書が作成された。これらの文書は手書きであり、しばらくしたら全てが支払われる」と発言した。

また、大統領は、ウクライナは国際裁判で勝訴するとの確信を示した。

これに先立ち、これに先立ち、8日、イラン首都テヘランのイマーム・ホメイニ空港を離陸した後、キーウ(キエフ)に隣接するボリスピリ空港へ向かっていたウクライナ国際航空のボーイング737が墜落した。同機には、乗客・乗員計176名が搭乗。ウクライナ国民11名を含む、その全員が死亡している。

イランは、11日にウクライナ航空機を誤射で撃墜したことを認める発表を行なっている。