OSCE特別代表「宇東部へのOSCEと国連の共同ミッション展開案は、露が否定」

ウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州一部地域における地方選挙は、ウクライナの選挙法に従って実施されなければならず、全ての政治勢力が参加し、欧州安保協力機構(OSCE)のスタンダードにのっとらねばならない。

ウクライナ・ロシア・欧州安保協力機構(OSCE)からなる協議フォーマット「三者コンタクト・グループ(TCG)」にて、2015年からOSCEの特別代表を務める、マーティン・サイディック氏がオーストリアのDie Presse紙へのインタビュー時に発言した

サイディック氏は、ドンバス地方選挙問題に関して、「実際には、全ての政治勢力が参加する、民主的な選挙が行なわれなければならない。ウクライナの選挙法によるウクライナの選挙だ。それ以外は幻想である。また、選挙は、OSCEのスタンダードに従って組織されねばならない。分離主義者たちが特定の政治勢力を排除できると考えているなら、それはうまくいかない」とコメントした。

同氏は、「シュタインマイヤー・フォーミュラが受け入れられることで」地方選挙実施の枠組が作られたと発言した。

更に、サイディック氏は、同地方選挙実施における重要な要素は、然るべき治安条件の創出だと指摘した。同氏は、その際、OSCEと国連の共同ミッションの支援により治安条件が創出される可能性があるが、ロシア側がこの案を批判していると発言した。

同氏は、「私たちは、治安確保を目的とした国際警察の展開を提案した。ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、一度はこの案を認めたのだ。大変残念なことに、その後この方向性では作業が行われていない。反対に、私たちの国連の移行統治の案は、批判を受けた」と説明した。

記者が詳細を尋ねると、サイディック氏は、ロシアがドンバス地方へのOSCE・国連共同ミッション案に対して否定的な反応を示したことを認めた。

同氏は、「クレムリンに近い複数の人物」のコメントにより、彼らがドンバス紛争解決を本当に見つけたがっているかどうかにつき、しばしば疑問を抱かせられると指摘した。