声党のミンスク諸合意離脱提案 与党は対露制裁の解除をもたらすと指摘

人民奉仕者党のダヴィド・アラハミヤ最高会議(国会)内会派長は、声党がミンスク諸合意からの離脱を提案したことにつき、離脱は国際社会による対ロシアの制裁の解除をもたらすおそれがある、と指摘した。

10日、アラハミヤ会派長が人民奉仕者党党大会の後に記者団に対して発言した。

同氏は、「声党の声明は私にとって意外であった。なぜなら、私は声党を非常に尊敬しているし、彼らの能力を評価しているからだ。私は、複数の法律専門家や国際政治専門家と話したが、彼らはどうしてそのような声明を(声党が)出したのか理解できないと述べていた。なぜなら、私たちが率先してミンスク諸合意から離脱したら、それはほぼ自動的にロシア連邦に対する制裁の解除を意味するからだ。私は、ウクライナで、誰かが対露制裁の解除を好ましいと思っているとは思わない」と発言した。

同氏は、声党のスヴャトスラウ・ヴァカルチューク党首が独仏宇露4国からなるノルマンディ・フォーマットの今後の戦略に懸念しているのだろうとし、そのため同党首がウクライナはまず財政的・軍事的・外交的に力をつけて、それから前進すべきだと提案したのだろうと述べた。

これに先立ち、8日、声党は、ウクライナはミンスク諸合意を離脱し、東部情勢を凍結すべきであるとの内容の声明を発出していた。同声明には、「現在、ウクライナにとって唯一効果的な手段は、ミンスク諸合意を離脱し、立場強化のために情勢を凍結することであると考える。クリミアとドンバスをウクライナが受け入れられる条件で取り返すことは、現状不可能である」と書かれている。

また、声党は、クリミアとドンバスの情勢を個別に扱ってはならないと主張している。また、ミンスク諸合意により合法化されたロシアの示す条件でドンバスのみ返還することは、国家の独立と主権を失う危険をもたらすと指摘している。

同党は、ロシアには現在建設的な対話の準備がなく、同国には「ウクライナを内部から破壊する、自らの支配下にある自治区を作る」という目的を持っていると強調した。

同党は、クリミアとドンバスの返還の可能性は今のところないことを理解せねばならないとし、現在ウクライナがすべきことは、領土と人を奪還するための力を蓄えることであり、軍事力、外交的立場、経済力を強めるべきだと主張している。