欧州人権裁判所、ウクライナ政権に元スロヴヤンシク市長への3600ユーロ支払いを命令

欧州人権裁判所は、ウクライナ政権に対して、2014年にテロ組織設立と領土一体性棄損の試みの容疑で拘束された元スロヴヤンシク市長のネーリャ・シュテーパ氏へ3600ユーロの支払いを命じる判決を下した。

24日、欧州人権裁判所が判決を下した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

裁判所は、「責任のある国(編集注:ウクライナ)は、申立人に対して、3か月以内に以下の額を支払わねばならない」と発表した。

判決は、2600ユーロの賠償金と1000ユーロの裁判準備費用の合計3600ユーロの支払い命令となっている。裁判所は、シュテーパ氏の件では、欧州人権条約の2つの条項への違反があったと認めた。

同時に、ウクライナ政権は、同判決への控訴が可能だとのこと。

なお、ネーリャ・シュテーパ元スロヴヤンシク市長は、2014年7月11日にウクライナ治安機関に拘束され、2017年9月20日まで拘置所に入れられていた人物。裁判所は、その後同氏の未決囚予防措置を自宅拘禁に変更している。

シュテーパ氏に対しては、テロ組織設立と領土一体性棄損の試みの容疑がかけられている。同氏は、2014年、プーチン露大統領に対してスロヴヤンシク奪取を公の場で呼びかけていた。同氏は、裁判所にて、その呼びかけはテロリストに脅されていたからであり、テロリストに拘束されて暴力をふるわれたことや、銃口を向けられた上でロシアのメディアにインタビューをさせられたことを訴えていた。ウクライナ検察側は、シュテーパ氏につき終身刑を求めている。

シュテーパ氏は、ウクライナ政権にて拘束されていた際の件につき、欧州人権条約の複数の条項を根拠に欧州人権裁判所に訴訟を起こしていた。