クリムキン前外相、ウクライナの「シュタインマイヤー・フォーミュラ」への同意にコメント

クリムキン前外相は、「シュタインマイヤー・フォーミュラ」はドンバス地方選挙に向けたその他の行動計画と結びつかせなければ、何の意味も持たないとコメントした。

1日のミンスクでの三者コンタクト・グループ(TCG)会合(編集注:ウクライナ・ロシア・欧州安全保障協力機構(OSCE)の3者に加え、武装集団代表者が出席する会合)にて、ウクライナが同意を表明した「シュタインマイヤー・フォーミュラ」につき、クリムキン前外相が自身のフェイスブック・アカウントにてコメントした

クリムキン氏は、「シュタインマイヤー・フォーミュラに同意がなされた。予想通りだ。つまり、ロシアにとっての『ノルマンディ』会合(編集注:独仏宇露4国首脳会合のこと)開催の条件が履行されたことになる。これも予想通りだ。(同意された)文書を私たちは目にしてない。しかし、どうやら、選挙は全体として自由で公正なものとなるべきだということらしい。つまり、ロシアは、選挙を不自由で不公正なものとしてくるだろう。選挙とは全く異なるものにしてくるだろう」と書き込んだ。

クリムキン氏は、その上で、自由で公正な選挙とは、単にロシア軍やロシアの兵器が被占領下ドンバスに不在というだけではできないと強調した。同氏は、「他に必要なのは、完全な武装解除、治安の確保だ。そこで問題となるのは、(武装解除・治安解除を)誰が、どのように、いつやるのか、だ。また、それ(自由で公正な選挙のために必要なの)は、被占領下ドンバスとウクライナ・ロシア間国境の全ての地点における治安を、私たちと/か国際社会が完全にコントロールすることだ。また、ウクライナの全てのマスメディアと政党の完全な形での参画だ。また、一時的国内避難民の選挙参加だ。また、ウクライナの中央選挙管理委員会による、あるいは国際管理機構と共同での、選挙運営だ。また、ウクライナの裁判、それ以外のあらゆるものを機能させることだ。これらの全ての問題への対応が、明確かつ一義的に行われねばならない。そうでなければ、その選挙の合法性は、決して認められることはない」と説明した。

その点で、クリムキン氏は、シュタインマイヤー・フォーミュラ(編集注:ドンバス地方選挙の開催と同地特別地位の発効タイミングに関するもの)は、その他の行動計画、つまり「ロードマップ」と結び付けなければ意味がないと説明した。

同氏は、「シュタインマイヤー・フォーミュラは、前述の問題への回答がなければ意味を持たないのだ。つまり、問題は、以前より多くなったということだ。社会は、これらの問題への回答を要求していくことになる」とし、またこの問題は、ウクライナだけの問題ではないし、ウクライナにとっては一体性のある国家の存続の問題なのだと強調した。

なお、これまでの報道にあるように、1日、ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領が、記者会見にて、ウクライナは「シュタインマイヤー・フォーミュラ」のテキストに同意するとの返答をマーティン・サイディックTCG・OSCE特別代表に伝えたと発表した