キーウ控訴裁判所、MH17撃墜事件の重要証言者を釈放

5日、キーウ(キエフ)控訴裁判所は、武装集団「DPR」のスニージュネ市の元「対空防衛部隊指揮官」であり、MH17撃墜事件の証言者である、ヴォロディーミル・ツェマフ容疑者の未決囚予防措置を、拘束から特別義務の下での釈放に変更する判決を下した。

裁判所がツェマフ氏の弁護士の要請を満たす形で判決を下した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

裁判官は、「キーウ市シェウチェンキウシキー地区裁判所によるツェマフ容疑者に対する拘束の形態の未決囚予防措置を2019年10月20日まで延長する8月22日付判決を無効化する」とし、加えて「ツェマフ容疑者に対して、特別義務の予防措置を適用する。裁判所にて、ヴォロディーミル・ツェマフ氏を速やかに拘束から解放する」と宣言した。

同時に、裁判所は、ツェマフ容疑者に対して、捜査官、検察官、裁判官の要請に対して出頭・出廷すること、捜査官、検察官、裁判官の許可なく居住する自治体から離れないこと、居住地変更の場合に捜査官、検察官、裁判官に報告することを義務付けた。

また、同判決は最終的なものであり、上告対象にはならないとのこと。

判決文は、9月6日午前10時に公表されると伝えられた。

なお、これまでの報道にあるように、本年6月末、ウクライナの特殊機関が自称「DPR」の支配地域にて、スニージュネ市の元「対空防衛部隊指揮官」であるヴォロディーミル・ツェマフ氏を拘束していた

同拘束につき、英国を拠点に活動するオープン情報検証グループ「ベリングキャット」は、ツェマフ氏が、マレーシア航空機MH17撃墜事件の決定的に重要な情報を有している可能性があり、オランダで行われる裁判にて最初の参考人となる可能性を指摘していた

マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。