ゼレンシキー大統領、クリミア・タタール人指導者達と会談

9日、ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は、クリミア・タタール民族代表者たちと会談し、今後の協力について協議した。

大統領府広報室が伝えた

ゼレンシキー大統領は、「私たちの会談は、より近しく知り合うため、クリミアに関する全ての原則問題、クリミア・タタール人保護の問題、私たちがやらねばならないのは何なのか、あなた方がすでに行なっているのは何か、ということを把握するために計画されたものだ」と発言した。

発表によれば、今回の会談は、大統領側とクリミア・タタール指導者側の相互のイニシアティブで開かれたものであり、大統領府とクリミア自治共和国大統領代表とクリミア・タタール民族代表機関「メジュリス」の協力の深化、クリミア脱占領・再統合に向けた努力の調整を目的にして開催されたのだと説明された。同会談には、クリミア自治共和国大統領代表のアントン・コリネヴィチ氏、クリミア・タタール人指導者のムスタファ・ジェミレフ氏(欧州連帯党)、メジュリス代表のレファト・チュバロフ氏、メジュリス・メンバーのルステム・ウメロフ氏(声党)が参加した。

会談参加者たちは、人権、とりわけ被占領下クリミア自治共和国・セヴァストーポリの政治囚の人権保護の問題について協議した他、法的イニシアティブや人道問題について議論した。

発表によれば、ジェミレフ氏とチュバロフ氏は、ゼレンシキー大統領に対して、現在の被占領下クリミアの状況を報告したとのこと。とりわけ、ジェミレフ氏は、占領者たちがクリミアの先住民をあらゆる手段で半島から追い出そうとしていることを強調したとある。

チュバロフ・メジュリス代表は、クリミアの人権侵害事例を全て記録するために、国際場裏で、国際監視団を被占領下クリミアに常駐させることを提起するよう提案した。クリミア・タタール人指導者たちは、現在ドネツィク・ルハンシクで現在活動している国連人権監視団と欧州安全保障協力機構(OSCE)特別監視団(SMM)が既にクリミア監視のマンデートも有していることを説明した。コリネヴィチ・クリミア大統領代表は、クリミアのロシア占領政権が国際人権監視団のアクセスを認めていないことを喚起しつつ、事実を確認されるとそれが証拠となり国際刑事裁判所をはじめとする国際裁判所で利用されることになるのを、ロシアが理解しているからであろうと指摘した。

チュバロフ氏は、「監視団は、ウクライナ全土にマンデートを持っているのだが、クリミアへはアクセスが得られていない。私たちは、可能な限り、あらゆる場所、あらゆる場面で、OSCE・SMMはクリミアへのアクセス権限があることを主張しなければならない」と指摘した。

なお、8月9日は、世界の先住民の国際デーに定められている。

ウクライナでは、2014年3月20日、最高会議が「ウクライナにおけるクリミア・タタール民族の権利保証」決議を採択している。これにより、ウクライナは、先住民であるクリミア・タタール人やその他の民族マイノリティの民族、文化、言語、宗教のアイデンティティの維持と発展を保証することになっている。また、ウクライナの中においてクリミア・タタール人の民族自決権の保護と実現も保証されることになっている。

写真:大統領府