露、セルビア出身武装集団傭兵を「外国人記者」に登録 宇がOSCEで説明

ウクライナ代表団は、欧州安全保障協力機構(OSCE)の安全保障協力フォーラム会合にて、ウクライナ東部にて武装集団側で戦闘していたセルビア人狙撃手のベリチ氏がロシア外務省により「記者」の登録を受けたことを発表した。

ウィーンのイーホル・ロッソウシキー国際機関ウクライナ常駐副代表がウクルインフォルムへのコメント時に発言した。

ロッソウシキー副代表は、「私たちは、ロシア代表団が伝えた『セルビアの記者』なるデヤン・ベリチなる人物の情報に対応した。(OSCE)加盟国の全代表団に対して、私たちは、スライドの提示を持って、この人物が何者なのかにつき詳細に説明した。同人物は、セルビアを一切代表しておらず、記者でもない。この人物は、戦争犯罪者であり、殺人者であるのだが、ロシア連邦外務省はこの人物をあたかも『外国人記者』として記者会見に通している。その目的は、プロパガンダ的質問をさせたり、ウクライナ、特にウクライナ軍の信頼を低下させるコメントをさせたりすることにある」と発言した。

同副代表は、OSCEのフォーラム会合の際、出席者にこのセルビア出身の傭兵がウクライナ東部ロシア占領軍の中で行ってきた戦闘行為について詳細に伝えたと述べた。また、ベリチ氏がロシア連邦の公的機関からウクライナ人殺害で報奨金を受けていることもわかっていると述べた。同時に、副代表は、ベリチ氏はセルビア国内法による犯罪者となっており、同国へ戻った際には拘束されることになっていると説明した。

ロッソウシキー副代表は、「フォーラム会合の際、セルビア代表団の代表者が本件に関心を抱いた。同代表者は、セルビアの刑法典は外国の戦争や武力紛争に参加した場合には長期の懲役刑を規定しており、また、戦争・武力紛争への他者の参加を組織した場合には更に長い刑期を定めていると指摘した。デヤン・ベリチ氏はどちらにも該当する人物である。セルビア代表者の要請を受けて、私たちは、私たちが本件に関して有している情報を全て提供した」と説明した。

副代表は、今回のフォーラムの会合の際、ロシア代表団が、あたかもウクライナの軍人がドンバス地方の町の民間人居住区を攻撃した等のデヤン・ベリチ氏の発言を「セルビアの記者」発言であるとして引用していたと指摘した。

なお、セルビア出身のデヤン・ベリチ氏(通称「デキ」)は、2014年のロシアによるクリミア占領時からロシア占領軍に参加しており、その後、ドンバス地方にていわゆる「DPR」側で狙撃兵として戦闘に参加してきた人物。

2018年12月以降、ベリチ氏は、ほとんど知られていないロシアのインターネット・ニュースサイトにて、あたかも「記者」であるかのように振る舞い始め、ロシア外務省の記者会見に出席し、ロシア・プロパガンダに有利な言動を行っている。

なお、ウクルインフォルムは、このセルビア傭兵「デキ」についた特集記事を公開している(ロシア語)。