EU、ドンバス情勢、アゾフ海情勢、マレーシア航空機撃墜問題につき懸念表明

欧州理事会は、6月20日、ウクライナ東部のロシア侵略継続、アゾフ海でのロシアの挑発、マレーシア航空機MH17撃墜の捜査結果を主要な問題と認める決議を採択した。

21日、欧州理事会がウェブサイトにて決議文書を公開した。

決議では、EU各国首脳がロシアに対して、ウクライナ海軍軍人の解放と国際法の尊重を呼びかけている。決議には、「欧州理事会は、拘束中のウクライナ海軍軍人を無条件に解放し、だ捕した船舶を返し、国際法にのっとりケルチ海峡を通じた全ての船舶の自由な航行を保障することを求める、ロシアに対する呼びかけを改めて行う」と書かれている。

また、EU各国首脳は、ロシア大統領が4月24日にドンバス地方のウクライナ住民に対し、ロシア国籍の取得を簡素化する大統領令を発出したことにつき、ミンスク諸合意の精神に反するものとだとして深い懸念を表明した。

さらに、欧州理事会は、決議文にて、ウクライナ東部情勢を引き続き監視し続け、ミンスク諸合意に反して発行されるロシア国籍身分証明書を承認しないことを含め、今後の行動を検討する準備があると指摘した。EUはまた、ミンスク諸合意履行と「全ての関係者の間の信頼回復促進」の観点から、協議努力の再開を呼びかけた。

さらに、EU首脳陣は、国際共同捜査チーム(JIT)がマレーシア航空機撃墜事件の容疑者を起訴したことに関しても注意を向けた。決議には、「7月17日、298名の命を奪ったMH17撃墜から5年が経過する。EUは、国連安保理決議第2166にのっとり、真実と正義と被害者とその親族を前にした責任の確立に向けたあらゆる努力に対する完全な支持を改めて確認する。その文脈において、EUは、JITが2019年6月19日に、4名の人物がオランダにて起訴されると発表したことを歓迎し、ロシアに対して、継続される捜査に完全に協力するよう呼びかけるとともに、司法手続きの独立性と専門性に完全な信頼を置いていることを表明する」と書かれている。