ウクライナ語機能保障法が官報に掲載

16日、「ウクライナ語の国家語としての機能保障」法が官報「ウクライナの声」に掲載された。

同法全文が、同官報のウェブサイトにも掲載されている

同法によって、国家語を運用し、職務執行時に使用することが義務付けられるのは、大統領、最高会議議長・副議長、首相、閣僚、各国家機関の長、国営企業の長、最高会議議員、全てのランクの国家公務員、国家警察幹部・職員、裁判官、弁護士・行政書士、教育機関の幹部、教育者、国営・公営医療機関従事者である。

また同法は、ウクライナ語習得促進国家プログラムを適用する。同プログラムは閣僚会議が確定する。また、国家レベルで、成人のためのウクライナ語講座の組織が行われる。国家は、ウクライナ国民のうち、これまで習得の機会を得なかった者のために、国家語を自由に習得するための機会を確保しなければいけない。

ウクライナ語の運用がウクライナ国籍取得における義務要件となる。その際、政府が定めるウクライナ語運用レベルを問う試験を受けることが必須となる。試験結果によりウクライナ語運用レベルを示す証明書が発行される。試験は、国家委員会が欧州で外国語の学習者の習得状況を示すために用いられているガイドライン「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」の勧告を考慮して作成する。

ウクライナ軍に従軍する外国籍軍人のうち、国家勲章を受けている者につき、その人物へのウクライナ国籍付与が国益に適うとみなされる場合は、その人物は国家語運用レベルの証明なく国籍取得が可能となる。他方で、その人物は、国籍取得後1年以内にウクライナ語が運用できるようになることが求められる。

同法は、私生活コミュニケーションと宗教儀式には適用されない。

他方で、ウクライナ国内での文化・芸術行事、娯楽行事、劇場・祭典の開催の際は、アナウンス等でウクライナ語が用いられなければならない。発表者がウクライナ語を運用できない人物の場合、運営者はウクライナ語への通訳を確保しなければならない。

同法は、文化、テレビ・ラジオ放送、報道関連印刷物、消費者サービス等において、国家語適用に関する個別の特殊性を定めている。

この法律の大半の規範は、今回の官報「ウクライナの声」掲載から2か月後に発効する。同時に、特定のケースでは、発効時期がより遅いものもある。たとえば、印刷報道媒体の分野では、移行期間が30か月に設定されている。

これまでの報道にあるように、4月25日、最高会議は、「ウクライナ語の国家語としての機能保障」法案を賛成多数(278票)で採択していた

5月14日にパルビー最高会議議長が、5月15日にポロシェンコ大統領が同法に署名していた。